
食べる漬物の話しです。
『畑の土を柔らかくしたい』
そう思ったことってありますよね。
美味しい野菜は土に秘訣あり。
野菜を育てる方なら誰しもが思う事。
今回は、畑からでる残滓や家庭内の植物性の生ゴミで漬物を作り、畑に投じ、土をフカフカにしていく方法を解説します。
この記事は畑の土をフカフカにしたい方、生ゴミ、残滓を有効活用したい方向けの内容です。
- 漬物の作り方
- 漬物を使って土をフカフカにする方法
漬物を作る意味


過去にも紹介したように家庭から出る生ゴミは有機物になりますね。
コンポストを使って肥料化したりと活躍幅は大きいものです。


直接、生ゴミや残滓を畑に使用すると、チッソ分が多く、炭素分が少ないのが特徴で、養分が多すぎて細菌類が急激に繁殖し、腐敗が起こります。
有害なガスや分解物が発生し、これから野菜の生育を妨げます。
生ゴミは直接畑にはいれず、畑の外で発酵をすすめてから土の中に鋤きこみます。



生ゴミ堆肥の肥料スペックはこちらを参考にしてね…。
漬物を畑に鋤きこむことで…
生ゴミや残滓を漬物にしていきます。
ぬか漬けを行いますが、ぬか漬けをつくるぬか床には、酵母と乳酸菌が存在します。
菌ちゃん農法のような糸状菌が活躍する土づくりでしたが、漬物をいれることで、酵母菌と乳酸菌に活躍してもらうことになります。
土の中で、酵母菌と乳酸菌が繁殖していると、他の雑菌の繁殖が難しくなるため腐敗が起こらず、野菜の生長の妨げになることもありません。



菌ちゃん農法の有機物と何が違うの?
- 働く菌は酵母菌と乳酸菌
- 菌ちゃん農法より早く1~2ヶ月で植え付け可
- 漬物は追肥にも使える
菌ちゃん農法よりも手軽に始められますが、漬物を作る期間、畑に入れてからの寝かし期間は必要になります。



では漬物から作っていきましょう。
残滓を使って漬物を作る





漬物ですね…。



漬物ですよ…。
準備するものから整理するよ。
準備するもの
- 漬物タル
- 漬物 押し蓋
- 重し
- 米ぬか
- 塩
漬物をする準備が必要です。
タルは容量20Lサイズのタルを今回使用しました。



畑に鋤きこむ際に畝サイズで1M×1.5M程度となりました。
重しは漬物の押し蓋の上、タルの蓋の上の計2つ必要です。


米ぬかは精米過程で出るものを使用しました。
ない場合はスーパーで販売しているため、購入してみましょう。
塩は普段使用しているものでOKです。
漬物の作り方


畑ででた残滓や家庭内ででた野菜の切れ端を漬物タルにいれていきます。
植物性のものであれば切れ端や皮、根っこの部分もいれても問題はありません。
家庭内のごみの魚の皮や肉などは入れないようにしましょう。
注意点ですが…、使用する容器が大きすぎると、雑菌が繁殖しやすくなります。
生ゴミが貯まったら追加し、1週間程度で容器がいっぱいになるくらいの大きさのものをえらびましょう。


塩を入れる


米ぬかを入れる


かき混ぜる
塩は入れた生ゴミの重量の1~2%程度。
米ぬかは1割程度。
入れたらよくかき混ぜて、全体に米ぬか、塩が行き渡るようにしていきます。



生ゴミを補充する度に米ぬかや塩も追加していきましょう。


容器は必ず密封するようにしていきます。
発生したガスの圧力で、蓋が持ち上がるのを防ぐため重しをのせます。
土間などで日陰で温度変化があまり激しくない場所で保管していきます。


仕込みを終えた容器の中では、生ゴミの発酵がすすみ、時期にもよりますがおおよそ1ヶ月程度で発酵が完了します。
寒い時期は、発酵がすすみづらく、1ヶ月以上かかる場合があります。
1ヶ月を経過した時点で蓋を開け、確認してみましょう。
発酵が順調なら、あけてみると漬物特有のすっぱい香りがします。
人が食べれる良い菌がいっぱいになっているため土の中にいれても腐敗と違い悪さをしません。



できた漬物を土の中に入れていきます。
漬物を畑にいれてみる





作った漬物を畑に鋤きこんでいきます。
菌ちゃん農法では、糸状菌の力により土づくりをしていきますが、有機物を空気に触れさせるために、畝の上にのせるのが一般的です。
生ゴミ漬物の場合は、畝の中に漬物を投じ、全体に混ぜ合わせていきます。
漬物を畑に鋤きこむ


生ゴミを畑の土の上に広げていきます。
目安として1㎡あたり10kg施します。


生ゴミを土中に鋤きこみます。
深めに鋤きこみ全体にまんべんなく混ぜ合わせます。
漬物の乳酸菌や酵母菌による発酵はゆっくり酸素が供給されればよい為、深く鋤きこんでも、増殖していきます。


黒マルチをし、1ヶ月程度寝かします。
裾は土を被せて空気が入らないようにしていきます。



野菜からでる炭酸ガスが漏れださないようにするためです。
1ヶ月の寝かし期間で、生ゴミのチッソ分が少しづつ分解され、植物が吸収されやすい形になります。
土の中で発酵がすすみ、炭酸ガスが発生し、土をフカフカにしていきます。
1ヶ月経過後
1ヶ月経過後の土の様子を見ていきましょう。






1ヶ月経過後の様子です。
わかりづらいですが、土は相当フカフカになっています。
生ゴミは土中にある限り、肥料効果が持続します。
分解が完了してしまうと肥料効果は薄れる為、ホウレンソウやコマツナなど栽培期間が短い野菜を植付すると、追肥なしで収穫まで育てることができます。
植え付けと追肥



栽培期間の長い野菜はどうするんですか?



栽培期間が長い野菜は生ゴミ漬物を追肥して栽培します。
既に発酵させているため、生ゴミ漬物は速効性の肥料となりますので追肥にも利用できます。
栽培が長期間になる野菜(トマトやナス)などは、生ゴミ漬物を追肥として利用します。
追肥をする場合は、マルチをとり、両手1杯分の生ゴミを土上にのせます。
再びマルチを戻します。




マルチをとって栽培する場合は、敷き藁を利用しましょう。
同じように生ゴミをのせ土を被せ、敷き藁をしていきます。



残滓は絶えず漬物化するように癖付けしていきたいですね。
追肥まで使用したいならば、絶えず漬物ストックがあると良いですね。
育てる野菜の量に応じてできる漬物の量も変わってきますが、野菜の残滓の再利用できるのは無駄のない感じで最高ですね。
漬物の力で畑の土をフカフカに まとめ
今回は、畑や家庭からでる生ゴミや残滓を利用して漬物をつくり、畑に還元する方法を解説しました。
土にお悩みの方、試してみる価値の内容です。
土づくりの効果の速効性は腐葉土、堆肥を使った場合より速効性も早く、かつ肥料効果もあります。
同じく有機物を利用する菌ちゃん農法との違いは以下の通りです。
菌ちゃん農法 | 生ゴミ漬物 | |
活躍する菌 | 糸状菌 | 乳酸菌・酵母菌 |
寝かし期間 | 2ヶ月 | 1ヶ月(漬物作成:1ヶ月) |
肥料 | 不要 | 元肥、追肥効果あり |
育てた野菜の残滓を再利用できるという面では、少しでも初めてみるのがおすすめです。
今回は以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
その他の生ゴミの再利用についてはこちら…


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