野菜の葉っぱが食べられてる。
虫が原因だと思うけど…。
葉っぱを食べる虫はたくさんいますけど…。
今回はヨトウムシについて説明します。
育てている野菜で実害でているので調べてみました。
『育てた野菜の葉が食べられている。』
こういう事、経験ありますか?
葉っぱがなければ、野菜は光合成ができないです。
光合成ができなくなれば、野菜は生長できず、収穫もできなくなります。
今回、紹介するヨトウムシについては、ガの幼虫となりますが、食欲旺盛の虫で、いろいろな花、野菜を食べて成長していきます。
これから、家庭菜園を始める方や、サツマイモ、豆類を育てる方向けの内容です。
- ヨトウムシについて
- ヨトウムシの予防と対策
ヨトウムシとは?
ヨトウムシの基礎知識です。
ヨトウムシはヨトウガという夜行性の蛾の幼虫です。
日本にはヨトウと名のつく害虫は約40種おり、害虫界隈の有力派閥となります。
夜に行動し、植物を食害することから「夜盗虫」と名前がついたようです。
ヨトウムシは、ヨトウガが植物の葉の裏に卵を植え付けますが、1匹あたり1,000粒以上の卵を産み付けるといわれます。
卵の産み付けは、春から初夏。
秋ごろ(10月頃)まで、行われます。
ハスモンヨトウなどは、7月から10月頃、近年のような、熱帯夜が続く高温な年に大量に発生します。
ヨトウムシは春から秋にかけて暑くない時期に発生するため、気温に関わらず、品を変え、野菜や花の食害をしていきます。
若齢幼虫期~中齢幼虫期
若齢幼虫の食害シーンです。
若齢期は団体行動に徹します。
写真のように、葉の裏側から食害し、表皮を残します。
葉の表側が透けて白く見えます。
更に、団体で食害をすすめていきます。
中齢期になると、分散し、葉や果実、花を食害していきます。
食害された場所周辺に粒状の糞をまき散らす。
花のつぼみに穴が開いているため、目印になります。
若齢幼虫の大きさ…30㎜~50㎜程度
淡い緑色、黒褐色
老齢幼虫期~
老齢になると、夜行性になっていきます。
食害も、夜になります。
夜間は敵もいないため、長時間にわたり快適に食事をしていきます。
食欲旺盛、分け隔てなく食害をすすめ、葉っぱ、茎、果実、花、蕾全てを食べつくし、次の食品に移動していきます。
多くの害虫は、食べる部位を選びますが、ヨトウムシについては、選り好みはしません。
放置すれば、危険な害虫です。
若齢幼虫の大きさ…40㎜~50㎜程度
黒や灰色
日本全国どこでもいます。
家庭菜園を始めれば、よく見かける害虫となります。
ネキリムシと混同されますが、夜行性という共通点はありますが、根切り虫は、地際の茎を食害します。
それに対し、ヨトウムシは葉や花を食害します。
特に新芽を好みますので、発見した場合は早期に排除していきたいです。
発生する野菜や花
ヨトウムシが発生する野菜・花をまとめました。
これ以外にも発見される可能性はあります。
科目 | 野菜・果実 | 花 |
---|---|---|
アオイ科 | オクラ | |
アブラナ科 | ハクサイ・キャベツ | ハボタン |
キク科 | レタス | 菊 |
サトイモ科 | サトイモ | バラ |
ナス科 | トマト・ナス・ピーマン・シシトウ | |
バラ科 | イチゴ | |
ヒガンバナ科 | 長ネギ | |
ヒユ科 | ケイトウ | |
マメ科 | エダマメ・エンドウ・ラッカセイ |
ヨトウムシは、9月頃より増える傾向があります。
9月以降の収穫野菜や植え付けは注意が必要です。
発見したときの対策と予防
発見したときの対策についてです。
発見したときの対策
卵の処分
ハスモンヨトウの卵
卵塊をみつけたら、直ちに処分
ヨトウガは卵を葉裏に産み付けしていきます。
葉裏を確認してみて、卵の塊を発見できたら、葉を切り取って捨てる。
卵塊をセロテープなどでとってあげます。
このタイミングで見つけられるのが理想ではありまが、葉を食べられているのが発見できたら、他の苗、葉裏も確認していきましょう。
若齢幼虫ごと葉を取り除く
白くなった葉を目印に若齢幼虫の集団を見つけて葉ごと取り除くか、すり潰す
若齢幼虫は葉の色を見て、追跡していきます。
集団で葉裏を食害していますので、葉ごとすり潰す。
葉を取り除く。
若齢ですが、1日で目に見えて食害していきます。
早期に対応していきましょう。
中齢以降の幼虫は割り箸などでつまみ取る
中齢から成熟幼虫は、割りばしなどで取り除く
中齢以降の幼虫は指の関節以上の大きさとなります。
触ることに抵抗を覚える方も多いと思います。
割りばしなどを使い摘んで、畑から退場させましょう。
発見したときの対応は以上です。
放置は厳禁です。葉を取り除かず、放置した場合、写真のように食害されていきます。
ラッカセイの食害 発見時
発見から放置3日後
食害を放置していても、葉が残れば光合成をし、実は育ちますが、それすらも出来なくしてしまいます。
面倒に思わず、時間を割いて除去していきましょう。
予防方法
2㎜以下の防虫ネット
定植後、2㎜以下の防虫ネットをする
病害虫対策の定番。
種まきや苗の定植後、ヨトウガが卵を植え付けできないように、また、近くの雑草などからヨトウムシが侵入できないように、ネットをしていきます。
防虫ネットは「大は小、小は大を兼ねる」わけではありません。
網目が細かければ風通しや日当りが悪くなる可能性もある為、注意しましょう。
コンパニオンプランツや天敵の力を利用
草木灰の使用
野菜の葉や土に草木灰を振りかける
草木灰は落ち葉やワラなどを燃やした灰です。
肥料としても使用します。
草木灰を葉に薄くかけると、ヨトウガの産卵を防止できます。
土表面にばらまくだけで、ヨトウムシを寄せ付けなくなります。
コーヒーかすを土に混ぜる
コーヒーかすを土に混ぜる
コーヒーの出がらし粉を畑に散布していきます。
草木灰と同様に、ヨトウムシを寄せ付けなくなります。
また、コーヒーを、薄めて葉に撒くのも有効です。
また、ヨトウムシは米ぬかを好みます。
米ぬかを使用しヨトウムシを誘引し駆除する方法もありますが、ナメクジなども寄ってきますので、こまめな管理が必要です。
木酢液を使用する
薄めた木酢液を散布する
木酢液はナラなどの広葉樹を燃やして出た灰を冷却して作られた酸性液です。
300倍から500倍希釈した木酢液を葉に散布します。
草木灰と同様に、ヨトウムシを寄せ付けなくなります。
木酢液とニンニクを10:1で混ぜ合わせ、2ヶ月程寝かすことでニンニク木酢エキスを作ることができます。
ヨトウムシやカメムシ、うどんこ病やべと病対策として重宝されます。
無農薬での対策は以上です。
対策として農薬が簡単な解決方法です。
ただし、規模が小さい家庭菜園では、上記の方法を試されるのがおすすめです。
ヨトウムシ 無農薬での対策 まとめ
今回は、ヨトウムシについて解説しました。
昨今、9月になっても猛暑日が続きます。
猛暑日が続くと、ヨトウムシが発生しやすい土壌が整います。
暑さの為、畑に行く頻度も少なくなる中で、食害被害を受ける確率が高くなります。
食害の対策を敷きながら、無理なく野菜を育てていきたいものです。
今回は以上です。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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