農薬の希釈 計算方法 (農業で使う計算)

『希釈 100倍?』

定番なのは、農薬を薄める際に使う計算です。

農薬を不使用を心掛けている方でも、自家製の酢酸スプレーでもお酢を入れる量を計算する際に使用します。

算数の領域ですが、とっさの時考えてしまいます。

今回は農薬や液肥を作る際に使用する『希釈率』の計算について簡単に説明していきます。

この記事は、農薬についての簡単な知識、希釈の計算を知りたい方向けの内容です。

この記事でわかること
  • 希釈の計算方法
  • 農薬のこと
目次

農薬の基礎知識

農薬散布

基本は農薬は仕事でしか使用していませんが、簡単に農薬について説明していきます。

農家さんが農薬を使用するのは収量確保のため、卸先との約束で守るために使用しています。

仕事になれば確実に納品をする為に使用するも選択肢のひとつとなります。

基本的な役割

病害虫の防除害虫(アブラムシヨトウムシなど)や病気(うどんこ病べと病など)から作物を守る

雑草の防除除草剤により、作物の成長を妨げる雑草を抑える

収量・品質の安定化病害虫による被害を減らし、安定した収穫を実現

食料供給の安定効率的に生産するための技術のひとつ

色々な種類はありますが、簡単に種類について解説。

種類目的代表例
殺虫剤害虫の駆除スミチオン、アファームなど
殺菌剤病原菌の抑制ダコニール、トップジンMなど
除草剤雑草の防除ラウンドアップ、バスタなど
植物成長調整剤成長の促進・抑制ジベレリンなど
展着剤農薬の付着性を高める補助剤アビオンEなど

農薬というと、害虫の被害から守る「殺虫剤」、うどんこ病の病原菌の抑制に使う「殺菌剤」。

雑草の防除のための「除草剤」が代表的。

他にも成長調整剤も農薬の扱いになります。

剤型による違い

剤型も様々な形があります。

水で薄めて使用するもの、そのまま使用するものがあります。

水で薄めて使用するものが希釈が必要になります。

剤型形状・特徴使用方法
乳剤(EC)油に溶けた液体
水に混ぜると白濁
水で希釈して散布。
殺虫剤に多い
水和剤(WP)粉末状
水に溶けず懸濁液になる
水で希釈し、攪拌しながら散布
液剤(SL)水に溶ける液体
透明
水で希釈して使用
除草剤に多い
フロアブル剤(FL)粘性のある液体
粉末を液化したもの
水で希釈
沈殿しにくく扱いやすい
粒剤(GR)顆粒状
そのまま土にまく
土壌処理や根元散布に使用
水溶剤(SP)水に完全に溶ける粉末水で希釈して使用
均一性が高い
展着剤(Adjuvant)補助剤
濡れ性・浸透性を高める
他剤に加えて使用

色々ありますがこれらを複合的に使用したりもします。

入れる順番

STEP

容器の底に半量、水を入れる。

容器の底に直接薬剤を入れると沈殿や固着の原因になります。

STEP
展着剤を入れる
展着剤

界面活性剤が先に入ることで、後の薬剤が均一に混ざりやすくなります。

STEP
乳剤を入れる
乳剤

油性成分が水に乳化しやすくなる。

乳剤を入れると水は、白濁になります。

STEP
水和剤(WP)やフロアブル剤(FL)を入れる

粉末や懸濁液は後に入れることで沈殿を防ぎます。

STEP

全体量を調整しながら、よく攪拌する。

農薬を入れる順番は…。

『テ(展着剤)・ニ(乳剤)・ス(水和剤)』と憶えると良いです。

『テ・ニ・ス』で覚えるのが基本です。

使用時の基本ルール

農薬ラベルを必ず確認:使用作物・希釈倍率・使用時期・回数などが記載

希釈倍率を守る:濃すぎると薬害、薄すぎると効果不足

適切なタイミングで散布:病害虫の発生前や初期が効果的

風のない日・雨の前後を避ける:飛散や流出を防ぐ

防護具を着用:マスク・手袋・長袖などで安全確保

安全性と法的規制

農薬は農林水産省の登録制:登録された農薬のみ使用可能

農薬取締法に基づく使用基準:使用量・回数・時期などを厳密に管理

登録外の使用は違法:作物や使用方法がラベルと異なる場合は使用不可

使用には十分注意して使っていきましょう。

同じ農薬を何度も繰り返しかけるのではなく、時間を空けてローテーションを組んで行います。

害虫も免疫がつき効きづらくなっていきます。

次は農薬を使うにあたり、希釈の計算についてみていきましょう。

希釈の計算

希釈

農薬の希釈は、安全で効果的な散布のための基本技術です。

希釈倍率の計算、正しい手順、注意点をしっかり理解することで、薬害を防ぎ、作物を守ることができます。

希釈の計算について考えていきましょう。

希釈倍率の計算

農薬 裏面

農薬は原液のままでは濃すぎるため、水で薄めて適切な濃度にする作業が必要です。

これを「希釈」と呼びます。

希釈倍率は「○倍」と表記され、1000倍希釈=原液1に対して水999の割合です。

例:1000倍希釈液を10L作る場合

  • 必要な原液量:

10L / 1000倍 = 0.01L = 10ml

農薬は10ml必要になるということです。

  • 水の量:

10 L − 10 mL = 9.99 L

ポイント:

  • 液体農薬はスポイトや計量カップで測定
  • 粉剤(水和剤)は秤でグラム単位で測定
  • 希釈液は作り置きせず、使い切るのが基本

希釈早見表

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希釈倍率 早見表

これは、自分で木酢液やお酢のスプレーを使うときにも使用します。

算数と離れすぎて計算の仕方がわからないときには参考にしてね。

農薬の希釈 計算方法(農業で使う計算) まとめ

今回は希釈の計算についてまとめてみました。

当たり前の計算といえばそうです。

簡単な計算ですが、咄嗟にできないってなることもあるかもしれません。

農薬を使う、自分なりの液肥を作る際、必要な計算になります。

参考にしてください。

今回、以上。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

農業で使う単位と計算についてはこちら…

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