病害虫とコンパニオン・プランツについて説明します。
エンドウの病害虫とほかの野菜の相性について説明していきます。
- エンドウの病害虫について
- コンパニオン・プランツについて
エンドウのコンパニオンプランツ
コンパニオン・プランツは近くに植えることで育ちが良くなる野菜の組み合わせのことです。
無農薬でも害虫を遠ざけ、病気になりづらく、健全な野菜を育てつようになります。
エンドウ全体についてまとめました。
相性の良い組み合わせ(混植)
科目・種類 | 野菜・植物 | 理由 |
マメ科 | サヤインゲン | 生育条件が似ていて、同時に混植に適している |
根菜類 | ラディッシュ | 生長速度の差があり、妨害なく育つ |
根菜類 | カブ | 根からチッソを出し土壌環境を良くし、カブはアブラムシを遠ざける |
ウリ科 | キュウリ | 生育条件が似ていて、同時に混植に適している |
アブラナ科 | カリフラワー | 根から発せられるチッソは、カリフラワーの生長を促進する |
他にも相性の良い野菜は、ニンジン、トウモロコシ、バジルなどがあります。
後作も踏まえても相性のよい野菜が多いです。
相性の悪い組み合わせ
科目・種類 | 野菜・植物 | 理由 |
マメ科 | エダマメ、大豆、落花生 など | 連作障害 |
ナス科 | ジャガイモ | pHの不一致による生育障害 |
ヒガンバナ科 | ネギ類 | 生長阻害 |
ネギは基本は相性の良い野菜が多いですが、スナップエンドウとの混植は生長を阻害します。
またジャガイモについては中性よりで作る野菜とスナップエンドウのようなアルカリ性よりで作る野菜とでは土壌の環境の違いでどちらかの生長を阻害する結果になります。
後作・コンパニオンプランツは『キュウリ』がおすすめ♪
キュウリの畑への定植はゴールデンウィーク頃、スナップエンドウの収穫最盛期になり、柵を撤去せずにスナップエンドウが終了後、キュウリに利用できるためおすすめです。
リレー栽培をすることで連作緩和できるとされています。
エンドウの病気
発生する病気から見ていきましょう。
※病名をクリックすればハイパーリンクします
モザイク病
モザイク病はアブラムシを媒介として感染する、ウイルス性の病気です。
葉にはんてんのような模様が出てきて、モザイクがかかったような見た目になります。
若い株が感染すると被害が大きくなり、葉から茎、花、果実に委縮していきます。
時期的には暖かくなり湿度が高くなると発生していきます。
うどんこ病
うどんこ病は日当たりが悪く、雨の当たりずらい下葉の部分で発生するカビの一種です。
葉などが小麦粉をまぶしたように白くなり、生育が悪くなったり、葉や茎が変形します。
放置すると、葉から茎、花へと転移していきます。
食用部分に発生していなければ、食べても問題はありません。
・発病した部分を取り除く
・農薬散布(カリグリーンやアーリーセーフスプレーなど)
うどんこ病の対策
①適正な施肥
施肥量を守り、チッソ過多にしない。
肥料の与えすぎは、病気にかかりやすくなります。
②密植を避ける
株間の密集を避け、葉や果実が近づきすぎないようにし、風通しをよくする。
③接ぎ木苗や抵抗性品種を選ぶ
接ぎ木苗は、病気や害虫に強い野生種や同じ科の野菜などの台木に接ぎ木することで病気抵抗を高める方法です。
褐斑病(かっぱん病)
褐斑病は、春時期に雨が多いときに発生しやすくなるカビの病気です。
葉では病斑と健全な部分の区別がわかりやすく、褐色でいびつな形の斑点ができ、徐々に進行していきます。
ひどくなると、落葉、株全体が枯れていきます。
病状は、茎では楕円形で縁がこげ茶、中が褐色の斑点ができます。
・発病した株は直ちに抜き取り、畑の外に持ち出し処分
・葉などの残渣も畑の外で処分する
褐斑病の対策
②水はけをよくする
高畝や排水路を設けるなどして水はけをよくする。
立枯病
土の中に生息するカビによる病気で、ひどくなると株が立ったまま枯れます。
地際部分の根や茎が褐色になって腐り、成長した株が急激に衰えたり、株全体が萎れたりします。
長雨で起きやすく、被害部位は葉、茎、根と植物全体となります。
・発病した株は直ちに抜き取り、畑の外に持ち出し処分
・葉などの残渣も畑の外で処分する
・8月の暑い時期に太陽光消毒をする
立枯病の対策
エンドウの害虫
代表的な害虫を紹介します。
ヨトウムシ
ガの仲間。
40種ほどおり、卵は葉の裏に塊状に産み付けられます。成長が進むにつれ葉の食べ方が変わります。
若齢の幼虫は葉の裏側から表皮を集団で食害していき、成長し中齢幼虫以降は分散し、葉や花、果実を食い漁ります。
食べた後に糞を残しますので発見の目印となります。
散布場所:葉裏
登録内容に従い、以下散布。
BT水和剤(ゼンターリ顆粒水和剤)、デフルベンズロン乳剤(ノーモルト乳剤)やエマメクチン安息香酸塩乳剤(アファーム乳剤など)
アブラムシ
エンドウに寄り付くアブラムシについては、
「エンドウヒゲナガアブラムシ」という緑色の虫が葉やさやを食害します。
ナモリグリバエ
ハエの一種で成虫が飛来し葉肉内に産卵し、かえった幼虫が葉肉内を食害します。
食害された葉は光合成ができなくなり生育障害を引き起こします。
表面から葉を見ると白い線で絵を描いたように見える為、「絵描き虫」とも呼ばれます。
・幼虫、さなぎは白い筋の先端に潜んでいる為、葉ごと押しつぶす
・被害があった葉を切り取って処分する
・成虫は粘着シートを設置し誘殺する
ナモグリバエの対策
①アルミ蒸着マルチや白黒マルチを張る
畝を白黒ダブルマルチやアルミ蒸着シートをすることで虫よけになります。
アブラムシやハモグリバエは腹に光が当たるのを嫌います。
②1㎜網目の防虫ネットを張る
防虫ネットや寒冷紗をトンネル掛けする。
③肥料のやりすぎに注意する
化学性肥料や農薬を多用することで多発する傾向があります。
化学肥料の使いすぎに注意する。
エンドウの病害虫を紹介しました。
ほかの野菜とも重複する病気、虫が寄ってきます。
エンドウの病害虫 対策・まとめ
病害虫の全体的な対策まとめです。
- マメ科の連作をしない
- 水はけをよくする
- 種まき適期を守る
- 適正な施肥、チッソ過剰にならないようにする
- 密植を避ける
- キュウリとのリレー栽培がおすすめ
エンドウ豆の病害虫について紹介しました。
連作にならないようにしていくための作付け計画を立てていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
スナップエンドウ(春植え)の栽培方法についてはこちら。
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