
サトイモの育て方について説明します。
サトイモの栽培について説明していきます。
冬を彩る野菜、サトイモ。
お雑煮やみそ汁、使い勝手や保存もしやすいのが特徴です。
春植えて秋、冬収穫の長丁場になりますが管理もしやすく育てやすい野菜です。
今回は有機栽培のサトイモの育て方について解説していきます。
この記事は、家庭菜園でサトイモを育てたい方向けの内容です。
- サトイモの有機栽培方法
- サトイモのコンパニオンプランツと後作
- サトイモの病害虫
サトイモの基本情報


里で栽培されるイモだからサトイモと呼ばれます。
サトイモは熱帯地域が原産で、暑さには強いですが乾燥に弱く、栽培では6時間以上の日照時間を推奨されていますが、半陰性(半日3~4h日当り)に植えた方がよく育ちます。
また、霜に弱いため霜が降りる前に収穫しまていきます。



植付けの注意点はこちら
- 乾燥を防ぐため、半日陰での栽培がおすすめ
- 夏場の水やりが重要になり、雨が少ない時期はたっぷり水を与える
- イモを肥大化させるため定期的な土寄せが肝
栽培の流れ



サトイモの栽培方法を見ていきましょう。
土づくり


植え付けまでに土づくりを済ませておきましょう。
土づくり、特にpHは注意しましょう。
今回は植付時に元肥と堆肥も同時に与えていきますので植付け前にpH調整だけ済ませておきましょう。
植付け2週間前までに実施していきます。
根菜類となるため深めに30~40㎝程度は耕していきましょう。



サトイモやジャガイモは畝立てせずに植付けします。
土寄せをしながら畝を形成させていきます。
種芋の準備


サトイモの種芋はカビが生えていない健康なものを選びましょう。
種芋自体の保管は比較的しやすく、初年度はホームセンターなどで購入し、翌年からは自分が育てたサトイモを種芋とするとよいでしょう。
安定した収穫と品種を望む方はF1品種。
種芋を見てみる
植付け


植付けは霜の心配がなくなる4月以降に行います。



まず溝を掘っていきます。


深さ15㎝×幅15㎝の溝を掘っていきます。
溝と溝の間が70㎝幅になるようにしていきます。
鋤簾で削っていくとちょうどいいサイズになります。
植え方と元肥
芽かき


植え付け後から5月下旬ころの1回目の土寄せまでに芽が2つでてくるようならば、小さい方のわき芽を刈り取ります。
この時に、本命の芽も抜かないように気をつけましょう。
株元を押さえながら縦に引き抜きます。
土寄せ以降の時期に出てきた芽は、新しくできた子イモの芽になりますから放置し、土寄せで埋めていきます。
追肥・土寄せ
株が育ってきたら追肥と土寄せを数回に分けて行っていきます。
1回目




土寄せ後、畝が仕上がるようにしていきます。
(70㎝幅)
1回目は5月下旬頃、追肥と土寄せを行います。
1回目の追肥と土寄せは株横に追肥をし畝を作るように寄せていきます。
2回目
1回目の約1ヶ月後くらいを目安に、遅くとも7月中にまた、追肥と土寄せを行います。
7月はサトイモが最も成長する時期になります。
成長を促進させるためにも追肥していきます。




1回目同様、株元に肥料をばらまき、土寄せをしていきます。
藁や枯草を株元にのせていきます。
これは乾燥対策です。
3回目


3回目は土寄せだけ行います。
1、2回目同様、中耕し土寄せしていきます。



土寄せが足りない場合、実が日に当たり緑化し品質が悪くなってしまいまいます。しっかり土を寄せてあげましょう。
水やり


サトイモは水分を必要とする野菜です。
夏場の雨の少ない時期はたっぷり水を与えてあげましょう。
乾燥しづらいように敷き藁はしていきましょう。
収穫
サトイモは寒さに弱いため、霜が降りる前に収穫していきます。


①茎を切り落とす


②スコップで掘り起こす


③親イモを含めて持ち上げる


④子イモをはがしていく


親イモの注意点
品種により親イモが食べられるもの、食べられないものがあります。
育てる前に確認しておきましょう。
食べられる品種の代表として、、、
八つ頭(やつがしら)、セレベス(赤芽芋)、海老芋(えびいも) などなど


土を落とし根をとったら収穫完了です。
サトイモは寒さに弱いため、新聞紙に包む、ダンボールで常温保管が適しています。
収穫を遅らせる
サトイモは収穫した後、あまり長く保存が効かず、1ヶ月程度が目安になります。
そこまで食べきれない場合は、収穫せずに畑で保管していきます。



少しづつ収穫をしていく方法です。


①茎を切り落とす


②土を被せる


③ビニールと藁をのせる


④更にシートをかぶせておく
これで越冬していきます。
必要分を都度掘り起こしていきます。
種芋の準備


貯蔵用や種芋に使用する場合は、イモを十分に熟成させる必要があります。
12月になり、霜降りを経験し葉が枯れたものを掘り上げします。



貯蔵の仕方を見ていきましょう。


①穴を掘りもみ殻を入れる


②イモを入れる


③イモが隠れるようにもみ殻をいれる


④土を被せ濡れないようにシートを被せる
土を高く盛って更に雨が濡れないようにシートをかぶせておきましょう。
また、保管する種芋は私の場合はばらして保管していますが、親イモと子イモをばらさずに保管するのが一般的です。



保管するものは元気なものを使いましょう。
病気になったイモは使用せずに、元気なものを選んでいきましょう。
サトイモの後作とコンパニオンプランツ
コンパニオンプランツは近くに植えることで育ちが良くなる野菜の組み合わせのことです。
無農薬でも害虫を遠ざけ、病気になりづらく、健全な野菜を育てつようになります。



同じ畝に植えた場合のおすすめです。
相性の良い組み合わせ(混植)
| 混作相手 | 相性が良い理由 | 得られる効果 |
|---|---|---|
| ショウガ | ・サトイモの大きな葉が日よけになる ・根の深さが違い競合しない ・どちらも湿り気を好む | ・ショウガが柔らかく育つ ・収量アップ ・畝の空間を有効活用 |
| ダイコン | ・根の伸びる方向が異なる(縦 vs 横) ・サトイモの葉が地温上昇を抑える | ・ダイコンの品質安定 ・畝の収量アップ |
| パセリ/セロリ | ・日陰を好む性質と相性が良い ・香り成分が害虫を忌避 | ・害虫被害の軽減 ・柔らかく香りの良い葉に育つ |
| トウモロコシ | ・根に共生する菌が互いの生育を助ける ・背丈が違い光の取り合いが少ない | ・トウモロコシの生育促進 ・畝の立体利用で収量増 |
| 葉物野菜(ホウレンソウなど) | ・サトイモの葉が適度な日陰を作る ・根の深さが異なる | ・葉が柔らかく育つ ・早どりと遅どりの組み合わせで効率UP |
相性の悪い組み合わせ
サトイモはサトイモ科となります。
| 野菜 | 混植が悪い理由 | 起こりやすい影響 |
|---|---|---|
| ネギ・ニラ・ニンニク(ネギ類) | ・根の深さが似ており競合しやすい ・乾燥気味を好むため水分要求が合わない | ・サトイモの肥大が弱くなる ・ネギ類が過湿で根腐れしやすい |
| トマト | ・トマトは乾燥気味を好むが、サトイモは多湿を好むため水管理が真逆 | ・どちらかがストレスで生育不良 ・病気に弱くなる。 |
| ナス・ピーマン(ナス科) | ・水分要求がトマトほどではないが、サトイモほど多湿を好まない ・根の広がりも競合 | ・生育が鈍る、病害リスク増 |
| スイカ・メロン・カボチャ(ウリ科) | ・乾燥気味を好み、根が広く浅く伸びるためサトイモと競合 | ・つるの伸びが悪くなる ・サトイモの肥大も弱まる |
| インゲン・エダマメ(マメ類) | ・マメ類は根粒菌が乾燥気味を好む ・サトイモの多湿環境が合わない | ・根粒菌の働きが弱まり、マメ類の生育が悪くなる |
| ジャガイモ | ・ジャガイモは乾燥気味を好む ・サトイモの多湿環境と相性が悪い | ・イモが腐りやすくなる ・病害が増える |
| タマネギ | ・乾燥を好み、浅根で競合しやすい | ・球の肥大が悪くなる ・サトイモも根が弱る |
サトイモの後作
サトイモの収穫後、畑を活かす後作には、土壌の状態・病害虫対策・季節のタイミングを考慮するのがポイントです。
以下におすすめの野菜と注意点をまとめました。
| 野菜 | 相性が良い理由 | 得られるメリット |
|---|---|---|
| ホウレンソウ | ・サトイモ後の土は柔らかく、保水性が高く、ホウレンソウは浅根で湿り気を好む | ・発芽が安定し、葉が柔らかく育ち収量アップ |
| コマツナ・チンゲンサイ | ・肥沃で湿り気のある土が向き、短期栽培で後作に最適 | ・生育が早く葉が厚くなり、連続収穫しやすい |
| レタス類 | ・サトイモの後は土がふかふかで根張りが良い | ・結球が安定し、苦味が出にくい |
| ハクサイ | ・肥沃な土を好む ・サトイモ後は養分が残りやすい | ・結球が安定し、巻きが良くなる |
| キャベツ | ・肥料分が残るため初期生育が良い | ・葉がしっかり育ち、病気に強くなる |
| ソラマメ | ・サトイモ後の土は保水性が高く、冬の乾燥に強い | ・根張りが良く、春の生育が安定する |
後作に向かないもの
- 乾燥を好む(ネギ類・ジャガイモ・サツマイモ・ナス科・ウリ科)
- 湿気に弱い根粒菌を持つ(マメ類)
- 浅根で競合しやすい(ウリ科など)
サトイモ後の畑は 「湿り気が多い・肥沃・ふかふか」 という特徴があるため、これと真逆の性質を持つ野菜は不向きになります。


後作は『ホウレンソウ』がおすすめ♪
サトイモ後の土は保水性が高く、ホウレンソウの浅い根が伸びやすいことや土が柔らかくなっているため発芽が安定します。
肥沃な土で葉が厚く、柔らかく育つといわれています。
サトイモの病害虫



カブには、特定の害虫が好んで寄ってきます。
以下に、よく発生する病気・害虫とその対策をわかりやすくまとめました。
サトイモの病気
サトイモの害虫
| 害虫名 | 被害内容 | 発生時期 | 対策ポイント |
|---|---|---|---|
| ドウガネブイブイ (コガネムシ類) | 幼虫がイモを食害 | 6月上旬~9月下旬 | 成虫幼虫捕殺、完熟堆肥の使用 |
| セスジスズメ | 幼虫が葉の周辺から食害 | 6月~10月 | 割り箸などで捕殺 |
| ハスモンヨトウ | 幼虫による食害 | 5月~10月 | 捕殺、葉ごと取り除く |
| ロビンネダニ | イモに小さい白い粒 | 春~秋 | 水攻め、太陽熱消毒 |
| ネグサレセンチュウ | 生育初期の中心葉が食害 | 4~11月 | 連作の回避、水はけをよくする |
サトイモ 有機・無農薬での栽培方法 まとめ
今回はサトイモの育て方についてまとめてみました。
サトイモは植付けから収穫まで時間のかかる野菜ではありますが、直売所でも販売しやすい野菜です。
栽培期間が長くなると作りづらいと思われがちですが、水やりと土寄せさえ気をつければ育てることは簡単な野菜です。
翌年使う種芋もそろえやすいため、毎年作りたいですね。
今回は以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。








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