寒冷紗のかけ方 -農業資材の使い方-

『寒冷紗の使い道を詳しく知りたい』

畑を見るとネットみたいなものをかけてあることを見かけることはありますか?

今回は、このネットみたいなもの、寒冷紗(かんれいしゃ)の使い道について解説します。

寒冷紗のかけ方を知りたい方、不織布、遮光、防虫シートの違いを知りたい方向けの内容です。

この記事でわかること
  • 寒冷紗のかけ方
  • 寒冷紗の役割と使い分け
目次

寒冷紗とは

寒冷紗は、畑やプランターの上にかける白や黒のメッシュ状の布です。

見た目は「蚊帳」や「網戸の布」に似ていて、風や光は通すけれど、虫や強い日差しは防いでくれる優れもの。

寒冷紗を使いこなすことは野菜づくりの成果に直結していきます。

種を撒いたら寒冷紗

という鉄則もあるくらい重要なアイテムです。

家庭菜園で野菜を作る上で備えれば野菜づくりの難易度を下げてくれます。

寒冷紗の役割

寒冷紗の使い道

寒冷紗は『防虫』、『日よけ』、『防風』、『保温』、『防寒、防霜』、『乾燥防止』などの効果を一度に得られる優れもの。

何かを予防しようと思えば、なくてはならない農業資材になります。

寒冷紗の効果について具体的な効果を見ていきましょう。

防虫・防鳥効果

育てた野菜を食べられた…。

こういった経験はありませんか?

寒冷紗は、網目状のシートで通気性・透光性が高いのが特徴で、その構造が、虫や鳥から野菜を守っていきます。

細かい網目で作られており、 アブラムシ・コナガ・ハムシ類などの害虫が物理的に侵入できないためです。

また、通気性が高いので

  • 蒸れにくい
  • 温度が上がりすぎない

という利点があり、夏でも使いやすいのが特徴です。

また、播種後の防鳥対策として使用するのも使い道のひとつです。

日よけ・遮光効果

遮光ネット

夏は日差しが強いので、上手に使うと苗のストレス軽減・葉焼け防止・乾燥防止に大きく役立ちます。

夏の日差しは、葉焼け、高温障害のトラブルにより、野菜をダメにしてしまいます。

メッシュが光を拡散し、葉に当たる光が柔らかくなるため、葉焼けを防ぎ、寒冷紗をかけると 5〜10℃ほど下がることもある と言われています。

直射日光が当たらないため、 土の水分が蒸発しにくくなり、強光ストレスが減ることで、 根の活着が早くなり、徒長もしにくい

黒の寒冷紗をすることで日光を約50%程カットできるため、猛暑時には欠かせないアイテムになります。

寒冷紗には「遮光率」があり、一般的には次のように分類されます。

色・種類遮光率特徴
白寒冷紗約20〜30%日差しをやわらげる
野菜の生育に影響しにくく万能
黒寒冷紗約40〜50%強い日差しをしっかりカット
夏の葉焼け防止に最適
高遮光タイプ60%以上夏の苗の保護・育苗向け
畑での長期使用は注意

防風効果

風を完全に遮断するのではなく、風の勢いを弱めて通すという性質があります。

  • 強風の直撃を防ぐ(風圧を分散)
  • 苗の倒伏を防ぐ
  • 葉の擦れ(風害)を防ぐ
  • 乾燥を抑える
  • 土の飛散を防ぐ

という、風に弱い野菜にとっては心強い味方になります。

保温効果

空気の層をつくることで、夜間の冷え込みから植物を守る働きがあります。

昼間に温まった地面の熱が、夜に放射冷却で奪われるのを 寒冷紗を覆うことで緩和します。

夜間の温度低下がゆるやかになる

風が当たると体感温度は大きく下がりますが、 寒冷紗があると風が弱まり、苗の温度が保たれます。

風冷害(葉が黒くなる・萎れる)を防ぐ

どれくらい気温が上がるの?

寒冷紗の種類や気象条件によりますが、

  • 夜間の地温が1〜3℃ほど高くなる
  • 風が強い夜は体感温度がさらに+2〜3℃改善

というデータがよく示されています。

時期効果
春(3〜4月)発芽・幼苗の保護、遅霜対策
秋(10〜11月)冬越し野菜の初期生育を助ける
冬(12〜2月)霜よけ、乾燥風対策

冬の霜よけ防寒対策についてフォーカスしていきます。

防寒・防霜効果

寒冷紗

夜間、地表の熱が空に逃げることで植物が急激に冷える現象=放射冷却。

寒冷紗をかけると、布が熱の逃げ道をゆるやかにし、温度低下を抑え、霜は「空気中の水分が冷えた葉に直接触れて凍る」ことで発生します。

寒冷紗があると、霜が葉に直接触れないため凍結ダメージを防げる

風が当たると体感温度が下がり、霜害が起きやすくなります。

寒冷紗は風を和らげるため、風冷害も同時に軽減します。

かける際の注意点ですが、冷気が入り込むと効果が下がるため、ピン・土・石で裾を押さえるのがポイント。

⚠️ 注意点
  • 寒冷紗は“軽い保温”向け → 厳寒期は不織布のほうが保温力が高い。
  • 日中の温度上昇に注意 → 暖かい日は側面を少し開けて換気。
  • 強風の日は固定を強化 → 飛ばされると逆に霜害が増える。

乾燥防止

水やり

日光が直接土に当たると、 地温が上がり、土の水分が一気に蒸発します。

寒冷紗をかけると、

  • 光が散乱される
  • 地温の上昇がゆるやかになる
  • 蒸発スピードが低下する

水持ちが良くなる

特に夏の葉物や苗には大きなメリットです。

寒冷紗は保温だけでなく、 温度の急上昇を防ぐ=温度の安定化にも役立ちます。

地温が安定すると、

  • 根が水分を吸いやすい
  • 蒸散が安定する
  • 乾燥しにくい

植物が水分を保持しやすくなる

寒冷紗と似たアイテムの違い

寒冷紗と防虫シートの違いがわからない…。
違いを詳しく教えて。

畑では、野菜を作る記事でも紹介するように、そのシーンによって使用するシートが異なりますよね。

防虫シート、不織布様々なものを使用します。

防虫シートには、白の他にも黄色や青色があります。

違いを表にしてみます。

アイテム見た目・素材主な目的寒冷紗との違い
寒冷紗
(白・黒)
メッシュ状の布防虫・日よけ・乾燥防止・防霜万能タイプ
光と風を適度に通す
防虫ネット
(白・青・黄)
細かい網目のネット虫の侵入を防ぐ寒冷紗より網目が細かく、遮光は弱い
色で虫の忌避効果が変わる
不織布フェルトのような布保温・防霜・防風寒冷紗より保温力が高いが、通気性は低め
夏は不向き
遮光ネット
(黒・銀)
しっかりした網状強い日差しを遮る寒冷紗より遮光率が高く、夏の果菜類向け
防虫効果は弱い
防鳥ネット
(緑・黒)
大きめの網目鳥よけ風・光をほぼそのまま通す
虫は防げない
防風ネット
(黒・緑)
風を弱める粗めのネット防風寒冷紗より網目が大きく、日よけ・防虫効果は弱い
防虫ネット

防虫ネット

不織布べたがけ

不織布

度々登場するのは不織布や防虫シート。

不織布は播種後に畝にべたがけ

防虫シートは網の大きさが異なりターゲットの虫により大きさを変更する必要があります。

寒冷紗の設置の仕方

寒冷紗のかけ方について解説していきます。

その家により若干の違いはありますが、たるみなく設置されていると目をひきます。

畝と同じで寒冷紗もきれいに設置していると、「お~すごいっ‼」という感じになります。

まず、用意するトンネル支柱寒冷紗の大きさについて解説します。

寒冷紗のサイズの選び方

寒冷紗とトンネル支柱の選び方
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幅はトンネル支柱のサイズにより異なります。

トンネル支柱210㎝ならば、両端20㎝は地中に埋め込みますので、地上にむき出している部分は…

トンネル支柱長さ 210㎝- 40㎝(埋め込み分 20㎝×2ヶ所)= 地上表し分 170㎝ … ①

寒冷紗の幅 = ①地上表し分 170㎝ + 10㎝ = 180㎝ 

幅は少し余裕をもたせるように+10~20㎝が理想。
余裕がないと隙間ができてしまいそこから虫に侵入されてしまいます。

長さ

長さは畝の長さを計って決めます。

こちらも畝より長めにしていきます。

畝の長さ 5m + 2m(両端+1m) = 7m

長さも少し余裕をもたせるように両端+2mが理想。
余裕がないと隙間ができてしまう。
余った分はピンでとめたりして固定していきます。

寒冷紗などの張り方

STEP
支柱を設置する
トンネル支柱を差し込む

まず、トンネル支柱畝全体に設置していきます。

しっかり地面に差し込んでいきます。

差し込みが甘いと風で倒れることもありますので20㎝程差し込みます。

地面が硬く、支柱が入らない場合はあらかじめ差し込む場所にハンマーで杭を打ち込んでおきましょう。

畝の端のトンネル支柱の設置の仕方
寒冷紗の支柱のかけ方

両端は苗に寒冷紗が干渉しないようにトンネル支柱を斜めに差し込みます。

斜めに差し込むことで端の部分を緩やかに落としていきます。

STEP
間隔を決める
トンネル支柱の位置決め

トンネル支柱の間隔は

支柱が短いならば

支柱の大きさ程間隔をあけます。

支柱が大きい場合は…

写真のようにトンネル支柱を斜めに渡して、次の支柱を打ち込んでいきます。

STEP
寒冷紗をかけていく
寒冷紗をかける

寒冷紗をかけていきます。

野菜の苗を傷つけないように注意しましょう。

STEP
寒冷紗の端を固定する
寒冷紗のまとめ方
寒冷紗のまとめ方 しばる

寒冷紗の端を束ねてまとめます。

杭を打ち込みそこにまきつけています。

その他、寒冷紗をピンで杭打ち、石で固定する。

STEP
寒冷紗を固定する
寒冷紗の固定 トンネル支柱使用
寒冷紗の固定 クリップ使用

寒冷紗が風で膜られないよう固定していきます。

支柱の間に更にトンネル支柱を差し込み押さえつける方法です。

専用クリップを使用して固定する方法があります。

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STEP
隙間がないようにサイドを固定し完成
寒冷紗の隙間を固定する

寒冷紗に隙間があると虫の侵入や風が入るため重しや土を被せて隙間を埋めていきます。

設置完成 寒冷紗

これで完成です。
慣れれば簡単にできるようになりますよ。

かけ方は寒冷紗に限らず、防虫シートや不織布も共通のかけ方をします。

寒冷紗のかけ方 農業資材の使い方 まとめ

今回は寒冷紗についての知識や張り方について解説しました。

用途を再度おさらいしていきます。

アイテム主な目的
寒冷紗
(白・黒)
防虫・日よけ・乾燥防止・防霜
防虫ネット
(白・青・黄)
虫の侵入を防ぐ
不織布保温・防霜・防風
遮光ネット
(黒・銀)
強い日差しを遮る
防鳥ネット
(緑・黒)
鳥よけ
防風ネット
(黒・緑)
防風

今回紹介した寒冷紗は防虫、防風、防霜など様々な用途に使用できる農業アイテムです。

上手く使えば、収量も増やすことができるため、必須です。

参考にしてください。

今回、以上。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

寒冷紗を使うとより収量が増える野菜の栽培方法はこちら…

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