じゃがいもの病害虫やほかの野菜との相性を知りたい
病害虫とコンパニオン・プランツについて説明します。
ジャガイモの病害虫とほかの野菜の相性について説明していきます。
- ジャガイモの病害虫について
- コンパニオン・プランツについて
ジャガイモのコンパニオン・プランツ
コンパニオン・プランツは近くに植えることで育ちが良くなる野菜の組み合わせのことです。
無農薬でも害虫を遠ざけ、病気になりづらく、健全な野菜を育てつようになります。
ジャガイモは要注意野菜です。
相性が良いより悪い方が多いです。
育てやすさは抜群のジャガイモですが、混植、リレー栽培でも相性の良い植物が少ないです。
相性の良い組み合わせ
科目・種類 | 野菜・植物 | 理由 |
キク科 | マリーゴールド | 殆どのセンチュウ対策(フレンチマリーゴールドがおすすめ) |
マメ科 | インゲン | 土寄せ2回目が終了後、株間にツルなしインゲンを撒く |
ユリ科 | ネギ | 混植、リレー栽培(前後)双方とも相性良 |
相性の良い組み合わせはこの3種。
マリーゴールドは基本どの野菜とも相性が良く、ネギはジャガイモによる害虫被害がない為相性が良いです。
インゲンについては土寄せ後、混植し、ジャガイモ収穫前にインゲンも実をつけ先に収穫できるようになりますが、タイミングがずれないようにしていきましょう。
相性の悪い組み合わせ
科目・種類 | 野菜・植物 | 理由 |
ナス科 | トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモ | 連作障害 |
ウリ科 | キュウリ・スイカ・カボチャ・メロン | 病気にかかりやすくなる |
アブラナ科 | キャベツ・ブロッコリー・ハクサイ | 生長阻害 |
ショウガ科 | ショウガ | 必要な栄養がジャガイモと似ており生長障害を起こす |
根菜類 | ニンジン・大根・ラディッシュ | 〃 |
ジャガイモのメッカの「アンデス」ではジャガイモ専用区画を設けほかの野菜とは隔離して栽培されていました。
ジャガイモの病気
発生する病気から見ていきましょう。
モザイク病
モザイク病はアブラムシを媒介として感染する、ウイルス性の病気です。
ジャガイモの葉にはんてんのような模様が出てきて、モザイクがかかったような見た目になります。
若い株が感染すると被害が大きくなり、葉から茎、花、果実に委縮していきます。
・発症した葉などは直ちに切り落とします
・株まで委縮した場合は抜き取り、残渣も畑に残さないように外で処分
・処分に使用したハサミは使用後すぐによく洗浄する
ウイルス性の病気ですので、畑にウィルスが残ると2次災害になります。
切り取った葉や茎、ハサミの扱いに注意しましょう。
モザイク病の対策
①防虫ネットをトンネルがけする
ネットをトンネル掛けし虫よけをしていきます。
②コンパニオン・プランツ
天敵温存植物:ムギ類やソルゴーを栽培して障壁にする…アブラムシの天敵となるテントウムシを呼び寄せ、寄り付かないようにする。
③幼苗期の苗を保護
幼苗期の苗は大型のペットボトルをかぶせて保護するようにする。
葉巻病
ウイルスのよる病気で上の葉から感染が始まり、進行するにつれ下側の葉にシフトしていきます。
症状は上向きに巻き上がり葉自体が堅くなります。
感染すると生育障害が起こり、茎もほとんど伸びなくなります。
感染した種芋を使用すると収量も半分以下になります。
・発症した場合は、株を抜き取り畑の外で処分
・葉や株等の残渣も同様
・処分に使用したハサミは使用後すぐによく洗浄する
葉巻病の対策
①ジャガイモは健全な種芋を使用する
スーパーで購入する食用のイモを種芋に使用しない。
昨年の収穫したイモを種芋にしない。
基本は種芋は市販されている専用のものを使用します。
②コンパニオン・プランツ
天敵温存植物:ムギ類やソルゴーを栽培して障壁にする…アブラムシの天敵となるテントウムシを呼び寄せ、寄り付かないようにする。
③周辺の雑草を除草
周辺の雑草に感染する可能性もありますので、除草しておきましょう。
疫病
梅雨時や水はけが悪く湿気が籠るような環境化で多発します。
葉に水がしみたような斑点ができ進行すると白カビに覆われて株が枯れます。
可食部で発生したら食用は諦めます。
・発病部分を取り除きます
・消毒を散布:銅水和剤(ドイツボルドーA)やシアゾファミド水和剤(ランマンフロアブル)
疫病の対策
①水はけをよくする
高畝や排水路を設けるなどして水はけをよくする。
②ポリマルチを張る
雨で泥が跳ね、葉裏に土中にいる病原菌がついた状況となりカビとなります。
③適正な施肥
チッソ過剰により茎や葉が軟弱になることも原因の一部となります。
適正な施肥を行いチッソ過多にならないようにする。
夏疫病
秋ジャガ植え付け時期に起こる疫病です。
夏に高温乾燥の続く年に起こります。
葉に輪紋の黒い斑点ができ始め、たくさんできるとその部分は黄色になり、徐々に枯れていきます。
疫病との違いは
疫病は湿気、夏疫病が乾燥が原因となります。
・発症した場合は、株を抜き取り畑の外で処分
・消毒を散布:適用に合わせて、早めに硫黄・銅水和剤(サンケイ園芸ボルドーなど)を株全体に散布
夏疫病の対策
①土が乾き過ぎないように管理
高温乾燥が原因となります。
乾き過ぎないように、涼しい時間に適度に水をまきましょう。
②ジャガイモは健全な種芋を使用する
スーパーで購入する食用のイモを種芋に使用しない。
昨年の収穫したイモを種芋にしない。
基本は種芋は市販されている専用のものを使用します。
そうか病
ジャガイモ表面にへこみや盛り上がったかさぶたのような病斑ができます。
アルカリ土壌で、イモの肥大期に地温が20℃以上、乾燥していると感染確率が高くなります。
病斑部を取り除けば食べられます。
・発症した土地での連作は避ける
そうか病の対策
①土壌pHに気を付ける
ジャガイモは弱酸性土壌を好む野菜です。
野菜の適正pHを注意しアルカリ土壌での栽培にならないように注意する。
②未発酵の有機質肥料を種芋と一緒にしない
発酵時に高温となる、未発酵の有機質肥料や堆肥、米ぬかと同時に種芋を畑に混ぜない。
③種芋は検査済みのものを使用する
種芋は専用のものを使用します。
粉状そうか病
そうか病との違いは病斑部の違いで見分けます。
イモの表面に少し隆起したかさぶた状の病斑ができます。
病斑部が剥がれたり、割れて中から粉状の白い胞子が出てきますが、収量、皮をむけば食べられるため、さほど影響は少ない。
・腐敗していなければ、皮を取り除けば食べられる…
粉状そうか病の対策
①水はけをよくする
高畝や排水路を設けるなどして水はけをよくする。
③深植えしない
種芋を深く植えないようにします。
④土壌pHに気を付ける
ジャガイモは弱酸性土壌を好む野菜です。
野菜の適正pHを注意し酸性土壌での栽培にならないように注意する。
⑤未発酵の有機質肥料を種芋と一緒にしない
発酵時に高温となる、未発酵の有機質肥料や堆肥、米ぬかと同時に種芋を畑に混ぜない。
黒あざ病
ジャガイモ、サツマイモ、ゴボウなどの野菜で表面に黒いあざのような菌核ができます。
春ジャガ栽培時期に地温が低いと発生するといわれます。
発芽初期にかかると生育が遅れ、それでも生育しますが、先端の葉が小型になり、葉が上に巻いてしまうなどの症状がでてきます。
目ためは悪いですが表面部分のみ黒くなるだけで、中身には問題ありません。
・発症した場合は、株を抜き取り畑の外で処分
・葉や株等の残渣も同様
・処分に使用したハサミは使用後すぐによく洗浄する
黒あざ病の対策
①水はけをよくする
高畝や排水路を設けるなどして水はけをよくする。
③深植えしない
種芋を深く植えないようにします
④畑の太陽光消毒をする
夏の強光を利用して地温を高め、土中の病原菌を死滅させる方法です。
カビによる病気や雑草の防除に有効です。
⑤検査済みの種芋を使用する
市販されている種芋を使用します。
ジャガイモの害虫
代表的な害虫を紹介します。
テントウムシダマシ
テントウムシの仲間です。
背中に28個の黒い斑点があるテントウムシのような虫です。
ナス科の野菜を好み、葉や果実を食害し、写真のような跡を残します。
・虫の動きの遅い早朝に枝をゆすり、捕虫器などで回収
・葉の裏に集団でいる幼虫や卵は葉に切り取って処分
テントウムシダマシの対策
①ジャガイモの近くに夏野菜を植えない
ジャガイモは新しい成虫が発生しやすく、2次被害として夏野菜の葉や実を食害する恐れがあります。
夏野菜を近くにジャガイモを植えないようにしていきます。
②防風ネットやデントコーンを植える
アメリカの畑や沖縄などの畑のイメージはつくでしょうか?
障壁植物としてデントコーンを植えることで、害虫の天敵を呼ぶことができ、予防となります。
アブラムシ
・手でこすり取る、水で洗い流す、粘着テープを使って取り除く
・消毒散布:脂肪酸グリセリド乳剤(アーリーセーフなど)
アブラムシの対策
①ポリマルチを張る
写真のように通路や畝の50%以上をシルバーマルチで覆うことで太陽光の反射でそこから侵入できず死滅します。
アブラムシの他、ウリハムシ、ハモグリバエ類などは腹側から光が当たるのを嫌うためです。
②1㎜網目の防虫ネットを張る
防虫ネットや寒冷紗をトンネル掛けする。
④コンパニオン・プランツ
天敵温存植物:ムギ類やソルゴーを栽培して障壁にする…アブラムシの天敵となるテントウムシを呼び寄せ、寄り付かないようにする。
リビングマルチ:畝間に白クローバー、ムギなどを植え天敵をそこに集める。
ネキリムシ
ガの幼虫で、日中は土中に潜み、夜になると行動し根本の茎や葉を食害します。
成長すると写真のように発芽直後の茎をかみ切ってしまいます。
株が急に萎れたり、倒れた場合はネキリムシの存在を疑い、株本の土を掘ってみましょう。
・株部分の土を掘って害虫を見つけ取り除く
ネキリムシの対策
①雑草の除草
植えつけ10日以上前に栽培場所周囲の雑草を除草します。
②上下を切り取ったペットボトルで根本を保護
切り取られないように根元をペットボトルの上下切ったもので保護します。
③畑の太陽光消毒をする
夏の強光を利用して地温を高め、土中の病原菌を死滅させる方法です。
カビによる病気や雑草の防除に有効です。
ジャガイモの病害虫を紹介しました。
虫についてはカメムシなんかも寄ってきます。
全体的な対策は?
ジャガイモの病害虫 対策・まとめ
病害虫の全体的な対策まとめです。
つらつら予防のポイントを記載しましたが、紹介している土づくりを行い、連作を注意してもらうのが最低の条件です。
色々と考えることがあるように思えますが、病気がでてもあわてず対応していくようにしましょう。
今回は以上となります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
ジャガイモの栽培については下記参考ください。
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