トマトの育て方について説明します。
夏野菜、トマトの栽培について説明していきます。
トマトを作って、食べたいがきっかけで家庭菜園を始める方が多いです。
この記事は、トマトを育てたい方向けの内容です。
- トマトの栽培方法
トマトの基本情報
トマトはプランターでも栽培できる野菜で、大玉のトマトは実を赤くできれば、1人前という感じです。
植え付けの時期をずらして、6月から秋ころまで収穫をすることができます。
- 少量の栽培の場合は苗の購入がおすすめ
- 初めての方は、中玉、ミニトマトの栽培がおすすめ
- 雨除け栽培がおすすめ
栽培の流れ
トマトの育て方を解説していきます。
育苗
ポットに種植えをしていきます。
発芽温度を下回る時期に、植え付けをすることになる為、保温資材を使用するなりして、温度維持をしていきます。
種 3粒 / 1ポット
種を1㎝程づつ離して置きます。
設置後、薄く土をかぶせます。
本葉4枚程度のところで1本立ちさせます。
少量の場合は、ホームセンターなどで、4月後半頃から苗が販売されますので、そちらを購入される方がおすすめです。
購入の際は、蕾がついている、開花直前のものを選びます。
土づくり
- 中性よりの土壌での栽培を好み、pHは6.0~6.5で調整。入れすぎ注意
- 多湿を嫌う為、畝は高畝にする
- マルチシートを使用
- 吸肥力が強いため、ツルボケを起こし、実がつきづらくなる為、控え目にする
トマトの元肥
元肥: 全面施肥 発酵鶏ふん 50g + 骨粉 50g (㎡)
甘味を増す方法として米ぬかと魚粉を入れるとよいとされています。
米ぬか、魚かす共
30g/㎡
を追加していきます。
追肥時は魚粉を混ぜた、ぼかし肥がおすすめです。
畑への定植
①本葉3~4枚で定植
苗が大きくなり、1番花が咲いた苗を選びます。
定植の前に、水を上げておきます。
③寝かして植える
定植の際は、立たせて植えるのではなく、寝かして植えていきます。
茎を寝かして植えることで、寝かした部分(土の中に植えた茎の部分)からも根が生えていきます。
根が生えることで、強い苗を育てていく目的です。
接木苗の場合は寝かせ植えはNG。
穂木部分からも根が出てしまい意味がなくなります。
④株間について
株間は60㎝程度空けていきます。
苗自体が細長く、そのままだとひ弱な状態のため、定植と同時に支柱立てをしていきます。
支柱立て
1苗につき1本づつ支柱を立てていきます。(直立型)
苗と支柱は8の字でひもを結んでいきます。
苗は太くなっていきますので、茎を傷つけないように、余裕のあるようにしていきます。
雨よけ屋根
トマトは雨や水に弱く、雨にふれることで、病気、実が割れてしまったりということが起こります。
対策として、雨除け屋根を設置していきます。
大玉のトマトは特に色づきまでに時間が掛かります。
加湿障害を防止、雨による泥はねの防止のため、設置がおすすめです。
栽培中の管理
仕立て
主枝を伸ばす1本仕立てと、2本仕立てにして栽培していきます。
写真の2本仕立ては、主枝と脇芽のから1本を伸ばし、2本の枝から収穫を図ります。
1本仕立て
大玉トマトを栽培の際は、1本仕立てがおすすめです。
ミニトマト、中玉についても向く、基本の形です。
葉自体の込み合わず、日や風通しが良く、株自体が健全に育ち、病害虫の被害も受けずらい、メリットがあります。
2本仕立て
ミニトマトなどにおすすめです。
主枝と脇芽から枝を育てることで、収穫量が倍になります。
2本の枝が生長するため、多少収穫が遅れますが、茎葉が育ちすぎることを防止するメリットがあります。
我が家は、基本2本立てです。
初めてのトマトはミニトマトで2本立てがおすすめです。
芽かき・摘芯・摘果
生長に合わせて芽かき、摘芯、摘果をしていきます。
芽かき
トマトを育てる上で、もっとも行うことになる仕事となります。
生長するにつれて、葉と茎の付け根から、新芽が次から次へと出てきます。
この「脇芽」を摘む行為を「芽かき」といいます。
「芽かき」を怠ると、トマト自体が茂り、風通しが悪くなる。
栄養が葉にいってしまい、花や実に栄養がいかなくなってしまいますので、見つけたら、取っていきましょう。
「芽かき」をする際には、ハサミは使わず、手で摘み取っていきます。
ハサミを使ったことで樹液を介してウィルス病の感染することがあるためです。
摘芯
トマトの主茎をどこまで伸ばすか決めたら、一番高い着果予定の花房から2~3枚程度の葉と茎を残して摘芯していきます。
摘芯をすることで、実に養分がいくようにしていきます。
トマトは、最初の実をつけた場所から、葉3つ毎に花房を規則的につけていく習性があります。
収穫を予定する花房の数は、一般的で4~6程度です。
我が家では、花房は5になるように調整しています。
また生長するにつれ、上の方で実をつけていくため、摘芯を行うと同時に、一番最初の花房より下の葉は、すべて取り除き、風通しと日当たりを良くして、病気予防をしていきます。
摘果
大玉トマトの場合、1つ1つの実に栄養がいくように、実の数を制限していきます。
1房につく実を、4個ほどに制限していきます。
それ以上についている場合は、卓球のピンポン玉程度の大きさで摘果していきます。
ミニトマト、中玉は摘果はせずそのまま育てていきます。
追肥
追肥は、一番果に実がなった時点で行います。(1回目)
追肥の位置は、葉の先端部分の真下に根の先端があるため、少し穴を掘り肥料を撒いていきます。
この作業を両側に対し行います。
2回目の追肥は、様子を見ながら、3番目の花房に実がついたら行います。
トマトの肥料過多
トマトは吸肥力が強いため、肥料過多の場合は以下の症状になります。
◎葉が内側に丸くなる
追肥前の葉
追肥後、肥料過多
肥料を与えた後、葉が丸くなるようなら、肥料過多のサインとなります。
◎茎が割れる
追肥後
肥料も持続するため、葉が丸くなり、茎が写真のように割れていきます。
この状態でさらに肥料を与えると、ツルボケなどを起こしてしまう為、葉の状態を見ながら追肥のタイミングをずらしていきます。
元肥をほどほどに施している為、追肥の量が多いようならこの症状が出ていきます。
肥料も控え目に与え足りないようなら、追肥をしていく。
少しづつ行うことを心がけましょう。
人工授粉・着果
トマトの花は、花の花粉が柱頭につくことで実をつくります。
雄しべと雌しべを備えた、「両性花」。
自然の力で受粉します。
心配なら、花をゆすったり、やわらかい筆で、花の中心を撫でて受粉を助けることができます。
1段目の花房に実がつかないと、それ以降の花房でも実付きが悪くなる為、1段目は補助していくことが、おすすめです。
特に大玉トマトは実付きがあまりよくないため、確実に行いましょう。
収穫
トマトの実が、ヘタの近くまで赤くなってきたら、収穫していきましょう。
実を収穫するとき、写真の〇部分を指で折れば、簡単に収穫することができます。
ハサミを使う場合は、ヘタのすぐ上を切っていきます。
- 鳥被害の対策として、実を食べられないようにネットをすると〇
- トマトの実は、養分を夜整えるので、収穫は早朝がおすすめ
- 取り遅れると、落果、実が割れるなどの原因となる
トマトは摘芯しなければ、収穫し続けることは可能ですが、5段目以降は、病気になりやすくなる為、ほどほどにするのも一つの手です。
トマトの後作
トマトの後作について考えていきます。
連作障害
トマトはナス科となります。
トマトや同じナス科の栽培は、土中の成分バランスの偏りから、病気や生育不良が起きてしまいます。
連作障害を避ける為、同じ場所での栽培は3~4年ほど空けましょう。
トマトは連作障害が起きやすい作物です。
青枯れ病や半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)などの土壌障害。
土の中にいる線虫という虫が増殖する「センチュウ害」。
トマトは「ネコブセンチュウ」を発生させ、根にコブができ、根の働きが悪くなります。
土中での同じ栄養を取られることで起きる、生理障害が起きていきます。
特に植え付けに注意が必要なものは以下の通りです。
科目・種類 | 野菜 | 理由 |
ナス科 | トマト・ナス・ジャガイモなど | 連作障害 |
ウリ科・根菜類 | ニンジン・ダイコン・カボチャ | 土中害虫・養分被害 |
おすすめの野菜
トマト終了後のおすすめ野菜です。
- ①種まき葉物野菜
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種まきで秋植え付け。
トマトの収穫終了後、9月~10月に種植え。
アブラナ科、キク科、ヒユ科などです。
トマトはネキリムシが卵を植え付けづらい作物です。
ネキリムシ被害が多い、チンゲン菜にプラスに働きます。
- ②タマネギ
-
育苗し、11月に定植していきます。
育苗時期は9月頃。収穫は5月頃となります。
トマトを栽培したことで発生する、害虫を遠ざけます。
- ③ネギ
-
小ネギも長ネギもOKです。
秋植えに間に合います。
トマトの根につくセンチュウを忌避する効果があり、土壌中のミネラルバランスを整える効果が期待できます。
トマトを収穫後、秋野菜を植える流れになりますが、根菜類を避け、葉物野菜を植えていくようにしていきましょう。
トマトの育て方 まとめ
トマトは、家庭菜園の花となる野菜です。
初めて家庭菜園でトマトを作るなら、ミニトマトから始めて、中玉、大玉とレベルアップしていきたいですね。
大玉トマトが作れるようになったら一人前なのではないでしょうか?
この記事が、家庭菜園の一助となれば幸いです。
今回は以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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