畝(うね)はいつ頃までに、どのくらいのものを作ればいいの?
畝作りは元肥を施したとき、植付の1週間前に同時に作っていきます。
今回、大きさや作り方を説明していきます。
「畝の大きさは育てる野菜によって違うの?」
こんなこと、疑問に思うことありませんか?
育てる野菜によりサイズを整えるのがベスト。
ただ、畑の広さによって、畝の幅も調整していきたいですよね。
今回は畝の作り方と、畝の基本的な種類や注意点について説明していきます。
これから、家庭菜園を始める方、畝をつくる際に都度インターネットで調べてしまう人向けの内容です。
- 畝(うね)の種類と作り方
- 畝の向き、サイズや植付の注意点
畝(うね)とは
そもそも畝って何のために作るものなの?
そのまま畝を作らずに植えてしまうと、根をしっかり張れない。
野菜にとって、問題が起きてしまいます。
畝があると良い理由や種類について説明していきます。
畝は、畑の土を細長く盛り上げて、一段高くした野菜の栽培床(ベット)のことです。
畝をつくることを「畝立て」といいます。
なぜ、畝(うね)をつくるのか?
畝を作る目的は、野菜を育てるスペースと、人が通り作業をするスペースを確保し、区別管理をしやすくするため。
野菜を栽培しやすい土壌を作ることです。
この土壌を作るということは、畑の地質や育てる野菜により、畝の形や高さを変更し、保水性、排水性を変えていくことです。
土を高く盛ることで以下のメリットができます。
1.水はけと通気性が良くなる
2.根が張るスペースを確保することができる
3. 地温が上がる
4. 野菜のすみわけをすることで野菜毎の管理をしやすくできる
畝(うね)の種類
畝には以下の種類があります。
畝の名称 | 高さ | 幅 | 特徴 | 推奨される野菜 |
---|---|---|---|---|
平畝 | 5~15㎝ | 60~120㎝ | 基本の形 | 表面積が広い野菜全般 |
平高畝 | 15~30㎝ | 70~125㎝ | 排水性が良くなる 粘土質の土壌向き | 大根 サツマイモ |
小畝 | 20~32㎝ | 40~60㎝ | かまぼこ状の畝 湿気対策 | キャベツ レタス |
高畝 | 32~38㎝ | 65~80㎝ | かまぼこ状の畝 根を張る野菜向け | サトイモ キャベツ他 |
鞍つき畝 | 15~20㎝ | 40~50㎝(直径) | 円錐形の畝 蔓が伸びる野菜向け | スイカ カボチャ |
基本の形である平畝がおすすめ。
私の場合、幅60㎝×高さ10㎝
通路は30㎝位で大半の野菜を作っています。
畝の高さや広さを変えるのは?
1. 土壌の質
土壌の質により水はけの良し悪しが変わります。
砂質の場合、水はけが良すぎるため畝を高くすると、水はけがさらに良くなります。
逆に粘土質の場合、畝を通常の高さ(5~10㎝)にすると水の保水性が高くなるため、畝を高めにしてあげなければなりません。
土壌の質 | 高さ | 特徴 |
---|---|---|
砂質 | 10㎝以下 | 乾燥対策、5㎝以上低くする |
壌土 | 10㎝(基準) | |
粘土質 | 15~30㎝ | 湿度対策、高めにする |
かまぼこ状の小畝や高畝は2毛作でお米の後に、レタスなどを栽培するときに使用する畝で、粘土質の土壌対策ともいえます。
粘土質によっている場合は、土壌の改良を行うか、平高畝にて畝を作っていきます。
最初は粘土質の状態であっても、野菜を育てるにあたり毎回、堆肥を施していけば徐々に改善していきます。
2. 育てる野菜
育てる野菜のよっても畝の幅、高さを変更していきます。
家庭菜園については平畝を基本に、平畝の高さを変える平高畝をベースに考えていきます。
畝の名称 | 高さ | 育てる野菜と |
---|---|---|
平畝 | 5~15㎝ | トウモロコシなど野菜全般 | ナス、ピーマン、エダマメ、
平高畝 | 15~30㎝ | トマト、サツマイモ、根菜類 |
小畝 | 20~32㎝ | キャベツ、レタス、じゃがいも |
高畝 | 32~38㎝ | サトイモ |
鞍つき畝 | 15~20㎝ | スイカ、カボチャ |
幅については、基本は通路を合わせ、1m(通路30~40㎝、畝60~70㎝)とします。
2条植えの方が畝の広さを抑えることができますが、作業性を考えると1条植えで通路で挟んだ方が、野菜のケアがしやすい為、畝サイズは60~70㎝を基準に考えることが理想です。
また、サトイモやジャガイモは根をはりながら実を地中に作りますので、土寄せをしながら小畝・高畝にしていきます。
キャベツやレタスの栽培は平畝でも可能です。
小畝で栽培が適している点は、野菜と地面の接地面が少なくなります。
接地面が少ないことで湿気が滞留しないため病気対策になります。
また、畝の幅については「マルチ」を使用した場合は、マルチの幅のとおりとなりますので、野菜に合せてマルチサイズも決めていきましょう。
畝幅を大きくする野菜は何?
かぼちゃは地に蔓を伸ばすなら直径3mほどの平畝をつくります。
場所がそこまでない場合は、支柱をたてて立体的に栽培する工夫をしていきます。
畝(うね)の作り方
畝の作り方について説明していきます。
畝(うね)の向き
まず、自分の畑で畝をつくる理想の向き(方角)について考えていきましょう。
畝の長手の方向です。
- 南⇔北 (南から北の方向に畝を作る)
- 東⇔西 (東から西の方向に畝を作る)
周り近所や遮蔽物の有無によって左右されますが、理想は南北に畝を伸ばす。
遮蔽物、風通しなども踏まえ、東西に畝立てした方が日当たりが南北より良いなら東西に畝立てを行います。
日照時間により栽培できる野菜も変わってきますので、日当たり、風通しを考慮し畝向きを決めていきましょう。
畝(うね)立てをする
実際に畝立てを行っていきます。
畝立ては元肥を行うタイミングで同時に行っていきます。
全面施肥の場合: 全面施肥 → 畝立て
溝施肥の場合: 畝立て → 溝施肥 → 畝の埋め戻し
手順
畝の大きさを決めるにあたり、目視と感覚で行うと綺麗に畝が作れません。
メジャーでサイズを計り、杭を立てひもを引いて畝のサイズと通路位置を確認していきます。
ひもは地面につくようにピンと張るようにします。
杭、ひも、メジャー(計測用)
通路部分を作ります。
紐部分の外側を掘っていきます。
掘った土は畝に盛っていきますが、通路の深さが一定となるように鋤簾鍬を使い、下がりながら掘っていきます。
畝立ての中で一番重要な部分です。
途中、真っすぐ掘れているか、確認しましょう。
栽培床を平に整えます。
先程盛った土を鋤簾鍬で大まかに整えます。
最終的な仕上げは私の場合は板の切れ端で整え、板の平部分で叩いて固めていきます。
また、この時に小石があるようだったら取り除いておきます。
鋤簾鍬(レーキ)、板の切れ端
段差の部分を整え、成形していきます。
この時、土が落ちないように端面についても固めていきます。
畝は見た目が大事です。
端面部分と栽培床は綺麗に仕上がるようにしていきましょう。
鋤簾鍬(レーキ)、板の切れ端
端面分と表面を整えたら完成となります。
1週間後くらいを目途に野菜の植付をしていきます。
育てたい野菜次第で、更に準備をしていきます。
例えば、トマトや玉ねぎの植付時は、マルチをセットしていきます。
疲れる作業ですが、綺麗に仕上がったときの達成感もあります。
程ほどに頑張って畝立てしていきましょう。
家庭菜園に必要な道具はこちらを参考にしてください。
畝づくりの注意点
これから野菜を植付するにあたって、気を付けることってありますか?
日がしっかり当たるのかは重要です。
日陰にならないように気をつけましょう。
植付計画をし、畝づくりまで行い、これから野菜の植付をしていきます。
野菜を植付するにあたり、気を付けたいことを2点確認していきましょう。
畝同士の日当たり
太陽は東から上り、西に沈みます。
野菜は朝陽を好み、夕陽を嫌います。
朝陽が当たるように、畝設計をしていきます。
東側に背の高い野菜を植えないようにしていきましょう。
特にネットを使う、キュウリやゴーヤなどの蔓が伸びる植物は要注意。
敷地規模や内容を踏まえ、やむを得ない場合は日照時間と相談し、植付可能な野菜を育てていくようにしましょう。
野菜の根の張り方
根が張るサトイモや長ネギなどの近くに、食べてみた時に味の違いに敏感になるような野菜の植付は注意が必要です。
例)エダマメ、トウモロコシ
サトイモとトウモロコシは、野菜同士の相性が良いのは有名です。
お互いの生長を良くしていきますが、養分を奪われ、味を落とす可能性があります。
サトイモとエダマメ、トウモロコシの間に味に影響のないコマツナなどを入れて栽培していきましょう。
根の伸び方については少し難しいです。
おいしい野菜を育てたいと思ったとき、
注意するようにしてください。
野菜を作ることに余裕と実績ができたら、
組合せなど視野を広げていきたいですね。
畝(うね)づくりの基本 まとめ
今回は畝づくりの基本について説明しました。
如何でしたか?
作付け計画をし、土づくりを行い、畝をつくりました。
簡単に良い畝についてまとめです。
内容 | 詳細 |
畝を作る時期 | 種・苗植付1週間前 元肥と同時に畝立てする |
畝の向き | 南⇔北 もしくは 東⇔西 |
注意点 | 隣の畝の日当たりに注意する(日を遮るような組み合わせにしない) |
根を張る植物の近く味に敏感な野菜(エダマメやトウモロコシ)は植えない |
畝の種類は様々ありますが、野菜にあった畝を選択していきましょう。
1週間後、いよいよ、野菜を植付していきます。
時間がない場合は、そのまま野菜を植付してしまうこともありますが、おおよそ1週間後に、育てた苗や種を植え付けていきます。
また、育てる野菜次第で、保温性を高めたり、保肥の効果を狙いマルチを使用したり、鳥や虫対策の為、ネットを張ることもあります。
そちらについてはまた、改めて張り方をご説明いたします。
今回は以上となります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次は野菜の植付について説明していきます。
作付け計画の考え方はこちら
土づくりについては全3回、1回目の堆肥の投入についてはこちら
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