菌ちゃん農法を実践‼ 植付までのスケジュールを知る

菌ちゃん農法の年間スケジュールを把握したい

菌ちゃん農法を始めるにあたり、有機物の調達や畝づくりなど慣れ親しんだ農法と異なる点が多々あります。

個人的には、有機物調達に意識が向き過ぎて、スケジュール感覚のないままスタートをしました。

結果、畝づくりを先延ばしにし、有機物が必要以上に目減りし、再調達することになってしまいました。

この記事は、菌ちゃん農法を始めてみたい方、特に時間をそこまで取れない方向けの内容です。

これから農法を、試してみる筆者が紹介します。

この記事でわかること
  • 菌ちゃん農法を始める時期
  • 有機物と畝づくりのインターバル期間
目次

スケジュール感覚の重要な理由

菌ちゃん農法の畝づくりのスケジュール

菌ちゃん農法を始めるにあたり、時間を掛けることが2つあります。

  • 有機物を調達し、野ざらしにする期間
  • 畝を作り、土と糸状菌を馴染ませる期間(寝かし期間)

畑に投入する有機物にもよりますが、2~6ヶ月程

畝を作り、植え付け準備期間に2~3ヶ月程、かかります。

また、冬場は糸状菌が活動がにぶるため、12~2月は、畑の寝かし期間とカウントしない。

最短で、有機物の調達から4ヶ月

冬場も絡んでしまうと、同じ有機物を使用する場合でも、7ヶ月程の待ち時間が発生してしまいます。

普通の畝は、畑の空きがあれば、丁寧に準備しても1ヶ月程度。

ただ、菌ちゃん農法は『糸状菌ファースト』、糸状菌の準備を整えてあげる必要があります。

慣れ親しんだ農法と違い、こちらの都合だけで、準備が完了するわけではありません。

逆算の考え方が重要です。

逆算をするにも、何にどのくらいの時間が必要なのかを把握していきましょう。

集めやすい有機物は、人により異なりますし、野ざらしの期間も変わります。
スケジュール感覚がないと、初めて菌ちゃんをやってみようと思ったとき、植え付けしたい野菜の時期を過ぎてしまうといこともありえます。

体験談ですか?

そうです。
仕事の忙しさにかまけて、有機物の放置から始まり、植えたい野菜を植えられず、グダグダになりました…(;´・ω・)

菌ちゃんを始める時期と理由

調達から畝づくりをしてみての個人的な見解です。

菌ちゃんを始めるべき時期 結論

始めての準備は、秋野菜植え付けを目標にします。

有機物は4、5月頃には畑に投入できるように準備していきます。

畝づくりは、雨天や寝かし期間を考慮し、4~6月頃に行います。

夏野菜は翌年から植え付けをしていきます。
すぐにでも、準備して植え付けしたい気持ちになりますが、、、

理由について、有機物の調達畝づくりにわけて説明していきます。

有機物(材料)の調達スケジュールから整理していきます。

材料調達はいつでもできますが、時期により手に入りやすいなどありますので、それを踏まえて整理していきます。

もみ殻は、稲刈り後、落ち葉は冬の方が収穫しやすいですよね。

有機物の収集がしやすい時期を基準に考えていきます。

菌ちゃんに使う有機物調達のスケジュール

まず、有機物の調達にあたり、押さえておく条件から整理しましょう。

有機物の調達の前提条件
  • 調達した有機物は、数ヶ月程、野ざらしにする
  • 冬は糸状菌の働きが鈍くなる
  • 糸状菌は適度な水と空気が必要

調達した有機物は、野ざらしにして畑に投入する前に、糸状菌がついているか確認してから使用します。

冬時期の低温気は、糸状菌の活動が鈍くなり、暖かくなって、糸状菌の動きが活発になったことを確認してから使用していく方が、良いです。

下記に、有機物ごとの回収から畑投入の流れを表にしました。

スクロールできます
時期有機物 回収時期
その他もみ殻 野ざらし
もみ殻
菌糸
落ち葉
刈り草 1ヶ月後
刈り草

竹(たけ)
1月低温期野ざらし野ざらし1ヶ月目野ざらし
2月低温期
3月6ヶ月目3ヶ月目低温期除き
2ヶ月程度
4月糸状菌確認糸状菌確認糸状菌確認
5月畝づくり投入
畝づくり投入草刈り草刈り
野ざらし
畝づくり投入
6月梅雨
雨天後、杉の小枝など収集
草刈り/野ざらし2ヶ月目/糸状菌確認
7月梅雨野ざらし1ヶ月目畝づくり投入
8月
9月秋雨時期稲刈り収穫~籾摺り(もみすり) 糸状菌確認畝づくり投入

間引き伐採後間引き伐採時期/野ざらし
10月野ざらし1ヶ月目草刈り/野ざらし間引き伐採時期
11月紅葉時期落葉間引き伐採時期
12月低温期

紅葉 落葉落ち葉拾い野ざらし

もみ殻

もみ殻の調達

調達ピーク:9、10月

野ざらし期間:6ヶ月

もみ殻は、米農家さんに知り合いがいれば、簡単に手に入る材料です。

もみ殻は、収穫から脱穀、籾摺り(もみすり)をへて、玄米にしていく過程ででる殻のことです。

稲刈り時期なら、もみ殻を田んぼに放置している農家さんも多く、調達は容易です。

調達後は、6ヶ月は野ざらしにしますが、低温期明けの3月頃、もみ殻の様子を確認し、糸状菌が少ないようなら延長していきます。

最短でも、4月、5月頃に畝づくりに利用ができるようになります。

落ち葉

落ち葉の調達

調達ピーク:12月

野ざらし期間:2ヶ月(低温期はカウントしない)

雨降り後、スギの葉などは収穫がしやすい

落ち葉は年中調達可能ですが、ストレスなく調達できる時期は、12月頃の紅葉終了後が、簡単に集めることができます。

落ち葉は暖かい時期なら、収穫している段階で糸状菌を確認することができます。

逆に低温期での収集時は糸状菌を確認することが難しい為、暖かくなるまで野ざらしを続け、糸状菌の活動を確認ができてから、畑に投入していきます。

最短でも、4月後半頃の畑投入となります。

落ち葉の中では、杉の葉が糸状菌がつきやすくおすすめ。

山が近くにあれば、年中調達は可能です。

2ヶ月程度、畑の隅で野ざらし、更に糸状菌の成長を待ち、畑に投入します。

刈り草

刈り草の調達

調達ピーク:5~10月

野ざらし期間:2ヶ月(年内使い切り)

長期間の野ざらしはしない。

草刈りシーズンは、5月~10月。

刈り草は、失敗例でも紹介しましたが、有機物の中で、刈り草が野ざらしや畑に投入した時の、目減りが激しく、長期間の野ざらしは危険。

刈った草はシーズン内に野ざらしを終了し、畑に投入するのがおすすめ。

落ち葉同様、2ヶ月以内には、糸状菌を確認し、畑に投入していきます。

また、その他の有機物と混ぜて畑に入れるのも、良いです。

畝づくりの際、固い資材の上に刈り草を重ねて土を被せていきます。

竹(タケ)

間引き伐採後
竹(タケ)の調達

調達ピーク:9~11月

野ざらし期間:2ヶ月

低温期はカウントしない

竹(たけ)は、他の有機物よりも入手が困難かと思います。

竹の間引き伐採は、水気の抜けた、9月~10月。

譲り受ける場合は、10㎝以下に割り、野ざらしにします。

冬の低温期はカウントせず、暖かくなり、糸状菌がついていることを確認し、畑に投入します。

竹林などでは、伐採し放置したものなら、保有者さんと相談し、時期を問わず調達が可能です。

あらかじめ、畑に入れるサイズに割って野ざらしにしていきましょう。

3月以降なら、2ヶ月程、放置して糸状菌を確認し使用します。

冬の低温期が絡む場合は、無理に畝を作らず、暖かくなって、糸状菌の動きが活発になってから、行う方が無難です。

有機物の調達と野ざらしについて、フォーカスしていきました。

初めて菌ちゃん農法を試みるなら、9月の秋野菜の植え付けに間に合うように有機物を調達していきます。

次は畝のスケジュールをみていきましょう。

菌ちゃん畝のスケジュール

次は畝づくりにあたり、押さえておく条件から整理しましょう。

畝づくりの前提条件

畝完成後、雨にさらす

上図、静岡市の降水量と降水日数のデータになります。
雨にさらす工程、降らなければ、先に進むことができません…。

畝に雨にあてる

特に、週末家庭菜園に専念されている方は特に重要になります。

1週目に畝を作って、次週内に雨が降らなければ、何もできない日が発生してしまいます。

畝づくりは、適度に晴れて、適度に雨が降る時期がベストですよね。

秋終盤の11月から2月は雨天が少なくなります。

昨今では、東京では12月中の雨天が極めて少なかったとのニュースもありました。

冬の低温期は、糸状菌の活動が鈍くなり、雨も少なく、無理にでも畝を作ったとしても、作業が停滞してしまいます。

雨天の日数や降水量を考慮した場合、畝づくりは3月から6月までに行うのが良。

土と糸状菌を馴染ませる期間

土塊をのせる

畝を作り、通常2ヶ月の寝かし期間を置き、植え付けをしていきます。

この寝かし期間は、畝の中で、糸状菌の準備を整え、育ってもらう期間で、糸状菌の状況を確認し、育っているようなら、植え付けします。

9月に畝を作ったとしても、寝かし期間を経て、植え付け可能になるのは11月となり、秋野菜には間に合わず、越冬をしていく野菜を植えれるかどうかという時期になります。

寝かし期間を考慮して、6月までには、畝を作るようにしていくと、秋野菜もゆとりを持って植えることができます。

寝かし期間が重要になります。
糸状菌がしっかりついてくれれば、順調です。
ただし、寝かし期間の2ヶ月には例外があります。

寝かし期間の例外
  • 例外.1 寝かし期間2ヶ月経過後糸状菌が育っていない  
  • 例外.2 冬の期間(12~2月)は寝かし期間にカウントしない 

例外1. 寝かし期間2ヶ月経過後糸状菌が育っていない

植付前に、マルチをはがして、セットした有機物と糸状菌を確認していきます。

思ったより糸状菌の育ちが悪い場合は、寝かし期間を1ヶ月延長します。

例外2. 冬の期間(12~2月)は寝かし期間にカウントしない

冬の期間である12月~2月は、糸状菌の活動が鈍くなるため、畝を作り有機物をセットしても、思ったように活動してくれません。

そこで、12月~2月の期間は、寝かし期間として、カウントしない

11月末に畝を作る場合、3,4月を寝かし期間として、最短5月から植え付けが可能となります。

12月~2月に畝を作った場合も同様です。

糸状菌の活躍が前提です。
糸状菌の活動が鈍る時期がある以上、活発に動きやすい時期に始めることがベストです。

以上が、糸状菌多忙な方向けの家庭菜園の予定にあった準備プロセスになります。

畝づくりは、雨、寝かし期間を考慮し4~6月頃。

畑に投入した有機物も、消耗していきますので、野菜を植え付けし時間がたてば、補充が必要になります。

先々のメンテナンスなども考慮し、4~6月の間に徐々に畝を作るようにしていきましょう。

菌ちゃん農法 植付までのスケジュール

今回は、菌ちゃん農法を始めるにあたっての植え付けまでのスケジュールについて説明しました。

個人的に、仕事の繁忙期は、家庭菜園に時間を割けず、準備過程から失敗をしてしまいました。

行き当たりばったりで行うと、植え付け時期に間に合わないはありえます。

再度結論ですが…

菌ちゃんを始めるべき時期 結論

始めての準備は、秋野菜植え付けを目標にします。

有機物は4、5月頃には畑に投入できるように準備していきます。

畝づくりは、雨天や寝かし期間を考慮し、4~6月頃に行います。

始めたい時の参考にしてみてください。

今回、以上。

最後までお付き合いありがとうございました。

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