『トウモロコシの種って何を選べば…?』
ホームセンターや種苗屋さんで種の棚の前で悩んだ経験はありませんか?
トウモロコシは家庭菜園でも人気の品種。
種子も多数あり、自分のニーズにあったものを選ぶのも一苦労。
今回は、トウモロコシの種子についてまとめてみました。
トウモロコシの種選びにお悩みの方、植付け時期から無難に栽培を楽しみたい方向けの内容です。
- トウモロコシの栽培時期と流通時期
- トウモロコシの自家採種の方法
- トウモロコシのおすすめの品種
トウモロコシの栽培時期と流通時期


トウモロコシの栽培時期って結構長いですよね?



トウモロコシはポット植えから始まり。
温かくなれば直植え栽培もできます。
トウモロコシの栽培時期


トウモロコシはまだ気温が低い3月後半からはポット植えにて準備をし、気温のあがってきた4月から5月に定植していきます。
定植したトウモロコシは6~7月に収穫。
その後、もう1回戦することができる野菜です。
種植えで6月末までに撒けば2度目の収穫を楽しむことのできる野菜です。
また、トウモロコシは連作障害の影響が少なく、ローテーションがあまり関係のない野菜です。
トウモロコシの名産地と流通時期
順位 | 都道府県 | 特徴 |
---|---|---|
1位 | 北海道(約46.3%) | 圧倒的な生産量。 昼夜の寒暖差で甘みが強く、 ブランド品種も多数 (例:ピュアホワイト、味来) |
2位 | 千葉県(約11.0%) | 首都圏近郊で流通性が高く、 早出し出荷が得意 |
3位 | 茨城県(約8.7%) | 平坦な地形と温暖な気候で安定生産 |
4位 | 群馬県(約5.5%) | 高原地帯での栽培が盛ん。 甘みと香りが強い |
5位 | 山梨県(約4.4%) | 標高差を活かしたリレー出荷。 甲州とうもろこしなど在来種も |
令和5年データ
日本におけるトウモロコシの名産地は、気候・土壌・昼夜の寒暖差を活かした地域が中心です。
以下に最新の生産量ランキングと特徴をまとめました。
トウモロコシの流通時期は5月〜9月頃で、7月が最盛期です。
月 | 流通状況 | 主な産地 |
---|---|---|
3〜4月 | ごく少量 (ハウス栽培・九州など) | 宮崎・長崎・鹿児島 |
5月 | 出始め | 千葉・茨城・群馬 |
6月 | 増加 | 千葉・茨城・山梨 |
7月 | 最盛期 | 北海道・長野・群馬 |
8月 | やや減少 | 北海道・東北 |
9月 | 終盤 | 北海道・青森など |
10月以降 | ほぼ終了 (加工・冷凍品中心) | — |
こんなイメージですが、トウモロコシは鮮度が重要です。
地元のトウモロコシの方が鮮度があり、人気があります。



静岡では森町のトウモロコシが有名で朝から並んで購入される方が多いです。
地元の雄のような場所があるのがトウモロコシです。
鮮度が重要ということは、採ったものを以下にスピーディーに調理できるか?
地元のトウモロコシや自分で育てて、収穫することが一番新鮮でおいしい状態ということです。
トウモロコシ 固定種のおすすめ



トウモロコシの種を探しにいったら種類が多すぎて面喰いました。



そうですよね。固定種やF1全てひっくるめると結構な量ですよね。
迷わないように種子の有名どころについて解説してみたいとおもいます。
トウモロコシの人気の品種は育てやすいこと。
発芽率が高く、病害虫に強く、収穫までの期間が短いものが人気です。
特に期間が短ければ、年2回の収穫も可能になるからです。
種の種類
種を選ぶ時、種取りはせずに今年1年分の種まきをし、安定的に収穫を計りたいならば、『F1品種』。


翌年も種を採って育てたい場合は、『固定種』の種を選んでいきます。


トウモロコシの固定種は、甘みは控え目ですが、しっかりとした質感が特徴です。
トウモロコシは、種取りをする場合は注意点が多数あります…。
自家採種のポイント


交雑を防ぐ:他品種と300m以上離して栽培(市民農園では難しい場合も)
母本選抜:形・色・病気の出ていない株を選ぶ
人工授粉:確実な受粉のために手作業で花粉を振りかける
完熟・乾燥:株につけたまま枯れるまで待ち、皮をはぎ、風通しの良い日陰、雨があたらない場所で、1~2ヶ月乾燥させる。
脱穀・保存:十分、乾燥させたら実を取り外していきます。
種子は封筒などに入れて冷蔵庫で保管します。
しわくちゃになっても利用は可能で、購入した種子よりも長期保存が可能です。
おすすめの在来種・固定種



育てやすい固定種についてまとめてみました。
おすすめを5品種まとめました。
白もちとうもろこし
- 分類:固定種・ワキシーコーン(もち種)
- 粒色:真っ白
- 食感:もちもち・粘り気が強い
- 腹持ち:良い(もち質のでんぷんによる)
- 主な用途:焼き・蒸し・茹で・粉加工など
- 旬の時期:6月中旬〜10月初旬
早めに収穫することでモチモチ感がアップします。
でんぷんを含んでいることで、独特の粘り気ともちもち感があり、甘みは少ないですが、噛めば噛むほど甘みを感じることができます。
黄もちとうもろこし
- 分類:固定種・ワキシーコーン(もち種)
- 粒色:濃い黄色(黄金色)
- 食感:もちもち・粘り気が強い
- 甘み:控えめで素朴な風味
- 主な用途:焼きとうもろこし、蒸し、粉用、ポタージュなど
- 旬の時期:6月中旬〜10月初旬
発芽・生育ともに安定しやすく、家庭菜園でも育てやすい品種です。
白もちとうもろこしと同様にもちもちとした食感が特徴で、甘みは少ないですが、他のもちとうもろこしシリーズの中では甘いが、もちもち感は控え目。
ゴールデンバンタム


- 分類:固定種・スイートコーン(甘味種)
- 粒色:鮮やかな黄色
- 食感:しっかりめ(粒皮はやや厚い)
- 甘み:やや控えめで、香りと風味が豊か
- 主な用途:焼きとうもろこし、蒸し、茹で、粉用、ポタージュなど
- 収穫期:種まきから約80〜90日
ゴールデンバンタム(Golden Bantam)は、アメリカ生まれの固定種スイートコーンで、100年以上の歴史を持つ“黄粒とうもろこしの原点”とも言える品種です。
日本でも家庭菜園や自然農法の現場で根強い人気があります。
甘すぎず、もっちりした食感で、生でも食べることができます。
草丈が150㎝以上にも生長します。
モチットコーン
- 分類:固定種スイートコーン(もち系)
- 粒色:黄色
- 食感:もちもち(ワキシー系)
- 甘み:程よく自然な甘さ(F1ほど強くない)
- 主な用途:焼き・茹で・蒸し・自給用・直売向け
- 収穫期:種まきから約95日ほど
ハニーバンタムから選抜育成した希少なトウモロコシの固定種です。
自然の甘さともちもちな食感が特徴です。
早すぎると甘みが乗らず、遅すぎると粒が硬くなるため、収穫期は注意が必要です。
レインボーインカ(観賞用)
- 分類:固定種・フリントコーン(硬粒種)
- 粒色:虹色(紫・青・赤・黄・白・緑など)
- 食感:硬め(乾燥後に加工)
- 甘み:ほぼなし(生食不可)
- 主な用途:ポップコーン、粉加工、観賞用、クラフト素材
- 収穫期:種まきから約100〜110日
観賞用のとうもろこしです。
食用としては甘みが殆どなく、茹でたり、焼きトウモロコシとしては不向きです。
乾燥後、ポップコーンや粉用にする。
観賞用は完熟後に乾燥させて保存・加工します。



レインボーインカは花感覚で育てるトウモロコシといったところです。
以上がおすすめのトウモロコシの固定種になります。
個人的には初めてのトウモロコシ栽培ならば、ゴールデンバンタムを推しです。
育てやすく、調理方法も万能タイプです。
トウモロコシのおすすめ品種(固定種) まとめ
今回はトウモロコシのおすすめの品種についてまとめてみました。
何度もくどいですが、その年、とにかく甘いトウモロコシを育てて食べたいのなら「F1品種」。
そこそこ甘いトウモロコシを育てて食べて、来年もそのトウモロコシから種を採る楽しみを堪能したい場合には、今回紹介した「固定種」の種を選ぶようにしていきましょう。
固定種の中なら、ハニーバンタムがおすすめ。
参考にしてください。
今回、以上。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
トウモロコシを育てたい場合はこちらを参考にしてください。


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