
春先には安価でアジサイの苗が店頭に並びます。
『アジサイを鉢植えで毎年楽しみたい。』
アジサイは花が咲き終わったら、剪定。
翌年も楽しめる日本を代表する梅雨の花です。
庭植えだけでなく鉢植えでも楽しめる花です。
植付け、花後の剪定が大事になります。
今回はアジサイの鉢植えについて解説します。
アジサイを鉢植えで育てたい方、管理にお悩みの方向けの内容です。
- アジサイの鉢植え付け
- アジサイ・アナベルの花後管理
アジサイの基本情報


アジサイの植付けを説明する前にアジサイの基本情報について整理しましょう。
アジサイは多品種が存在し、好みも人それぞれ。



私はアナベルを好んで植付けしています。
剪定後もドライフラワーにできるからですが…。
アジサイの主なタイプ(咲き方による分類)
種類 | 特徴・咲き方 | 備考 |
---|---|---|
ホンアジサイ | 手まり状に丸く咲く | 「アジサイ」と呼ばれるタイプはこれ |
ガクアジサイ | 中央に小花、周囲に装飾花が額縁のように咲く | 日本原産、控えめで風情あり |
ヤマアジサイ | ガクアジサイに似て小ぶりで繊細 | 山地に自生、地域ごとの品種あり |
西洋アジサイ | ホンアジサイを品種改良した華やかなタイプ | ハイドランジアとも呼ばれる |
アナベル | 白やピンクの大輪、咲き進むと緑に変化 | ドライフラワーにも人気 |
カシワバアジサイ | 柏の葉に似た葉、円錐状の花が特徴 | 秋には紅葉も楽しめる |
ノリウツギ | ピラミッド型の花房、開花は7月以降 | 高木になることも |
ラグランジア | 枝の途中にも花が咲く珍しい品種 | 花数が多く、剪定も自由 |


ホンアジサイ


ガクアジサイ


ヤマアジサイ


西洋アジサイ
人気の品種


てまりてまり


マジカルチョコレート



アジサイは多様な品種があります。
自分の好みを選んで植付けしていきたいですね。


アナベル
今回はドライフラワーにもなるアナベルの鉢植えについて解説していきます。
アジサイは土のpHで色が変化する


アジサイは、土の酸性度によって色が変化する花です。
アジサイの花色は、花に含まれるアントシアニンという色素と土壌に含まれるアルミニウムの化学反応によって発生します。
アジサイのもともとの花色は、アントシアニンの本来の色味であるピンクになります。
土壌の性質 | pH値の目安 | 花色の傾向 | 理由 |
---|---|---|---|
酸性 | 5.0〜5.5 | 青〜紫系 | アルミニウムが溶けやすく吸収される |
中性〜弱アルカリ性 | 6.0〜6.5 | ピンク〜赤系 | アルミニウムが溶けにくく吸収されない |
アナベルやノリウツギのような白色はアントシアニンを含まないため、pHの影響を受けません。
色を変えるための調整
青に変える


ピートモスは一晩水につけてから使用します。
ピンクに変える


- 苦土石灰や草木灰を混ぜてアルカリ性に。
- アルミニウムを含まない土(ピートモスなど)を使用。



調整時期、注意点はある?
花芽形成期(旧枝咲き:8〜9月、新枝咲き:春)に土壌調整すると効果的です。
リン酸が多い肥料はアルミニウムの吸収を妨げるため、青色を目指す場合は控えめにしていきます(酸性に傾きづらくなる)。



鉢植えの場合の方が、pH調整も容易になります。
旧枝咲きと新枝咲き
アジサイには旧枝咲きと新枝咲きの2種類が存在します。
剪定の仕方とタイミングで翌年の花を楽しめるかを左右する大事な要素となります。
旧枝咲きから特徴を見ていきます。
旧枝咲き
特徴 | 詳細 |
---|---|
前年に伸びた枝に花が咲く | 花芽は前年の夏〜秋にすでに形成されている |
剪定のタイミングが重要 | 花後すぐに剪定しないと、翌年の花芽を切ってしまう可能性がある |
冬剪定はNG | 冬にバッサリ切ると花が咲かなくなることも |
花が終わったらすぐに、花の下2〜3節目でカット。それより後になると、翌年の花芽を切ってしまうリスクがあります。
新枝咲き
特徴 | 詳細 |
---|---|
その年に伸びた新しい枝に花が咲く | 春〜初夏に伸びた枝の先に花芽が形成される |
剪定が比較的自由 | 冬に地際まで切っても、春に新枝が伸びて花が咲く |
花数を増やしやすい | 剪定によって枝数を増やせるので、開花量もアップしやすい |
冬に地際から2〜3節残してカット。春に勢いよく新枝が伸びて、そこに花が咲きます。
アジサイの植え替え
アジサイは地植えが多いですが、鉢植えで管理しているお宅も多いですね。
地植えには、地植えのメリットがあり、鉢植えには鉢植えのメリットがあります。
鉢植えのメリットについて整理してみます。
鉢植えのメリット
メリット | 詳細 |
---|---|
場所を選ばず楽しめる | ベランダ・玄関先・室内でも育てられる。日照の調整もしやすい。 |
移動や管理がしやすい | 季節や天候に応じて移動可能。強風・日差し対策が簡単。 |
土壌調整がしやすい | 酸性・アルカリ性を調節しやすく、花色の変化もコントロール可能。 |
根の管理ができる | 根詰まりや過湿に気づきやすく、鉢替えでリフレッシュしやすい。 |
インテリア性が高い | 観賞用としても映える。装飾性が高く季節感も演出できる。 |
日照の調整がしやすく、室内で育てることもできます。
逆に水分不足と乾燥に注意が必要です。
アジサイの植え替え


購入時4号ポット(12㎝)のアジサイアナベルを植え替えしていきます。
アナベルは色は白、土壌のpHは気にする必要がありません。
1. 用土の調整



もっと簡単に済ませたい場合は?
2. 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き詰める




鉢はワンサイズ大きいものポット5~6号サイズのものを選び、鉢底の穴にネットをし、土が抜けていかないようにします。
その上に鉢底石をいれます。
ネットが見えなくなる程度石を入れていきます。
3. 用土を入れ、元肥を混ぜる




鉢底に元肥を混ぜ合わせた土をいれます。




5号鉢で10g。
入れすぎよりは、少ない位で良いです。
効き目が長い為、少量でも十分効果が期待できます。
マグァンプKは植物の根が肥料にあたることで肥料効果を得ることができます。
土表面にばらまいても意味がありません。



マグァンプKの詳しい使い方や詳細は下記クリック‼
4. アジサイをポットから取り出し鉢に固定する




鉢やポットから、植物を取り出し、根をほぐし土を落とします。
根っこに病害虫のタマゴなど植え付けされていることもありますので、根を切る前に水洗いします。
水洗い後、細長い干からびた根や、古い黒い根は洗ったハサミで切っていきましょう。
側根は細い根で、生え変わってどんどんはえますので、切っても問題はありません。
鉢内に、植物を配置し隙間に土を流し込んでいきます。
小さい鉢はスコップよりもスプーンなどで入れると綺麗に仕上がります。
根の隙間にも、土が入り込むように割り箸などで土を押し込んでいきます。
土の上表面が鉢の上縁から2~3㎝程度の高さになるように、鉢底の土の深さを調整しましょう。
5. 水やり後、活力剤を与え移動する


植え替えしたら水を与えていきます。
この時、たくさんの水を与え、新しい土の微塵が混ざっていますので、鉢底から濁った水が出てきます。
濁りが解消し、水が透明になるまで水を与えます。
根の促進剤、メネデールを与えます。
100倍希釈。
2ℓペットボトル分の水にメネデール、キャップ2杯分を入れ薄めたものです。
1ヶ月間、1週間に1回与えてあげます。
植え替え後は半日陰で管理します。
鉢底の皿の水はこまめにとりかえましょう。
根腐れの原因になります。
植え付け後の管理
植付け後は半日陰で管理していきます。
新芽が出て生長が確認できるようになっても、半日陰の場所で育てていきましょう。
置き場所


夏は半日陰に移動します。
直射日光で葉が焼けてしまう恐れがあります。
冬は寒風が防げる場所へ移動。
寒冷地のような場所では、腐葉土などを土表面に敷いておきます。
全季節共通ですが、コンクリートの上に鉢を置かないようにします。
温度変化が激しく鉢にも影響がでてきます。
水やり


夏場は朝夕2回。
水が足りないと花自体が垂れてしまいます。
表土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
冬場は週に1,2回を目安に水を与えます。
追肥


先にマグァンプKを与えていたら不要ですが、
追肥の場合、花咲き後のお礼肥、寒肥を与えます。
花後は、花を咲かすことでリン酸を大量に消費します。
リン酸中心の肥料を与えます。
冬は暖かくなり、枝葉が生長することを願い緩効性のチッソ肥料を与えていきます。
開花から開花後剪定まで


開花は梅雨時期から1ヶ月程。
花咲後、徐々に色が変わり白から緑に変化していきます。


色が褪せてきたら剪定タイミング。
花後剪定




花後、わき芽がでてきます。
カット位置は、花下、2、3節目のわき芽より2㎝程上を切ります。
花芽を残すためです。
剪定しないと花が先端に偏ります。
下の部分で剪定していきます。


剪定直後


剪定後わき芽
旧枝咲きは翌年この部分から花を咲かせます。
7月中に剪定をするようにしましょう。
夏が終わっても剪定しない場合は翌年の花を諦めて剪定するか、もしくは花は減るが全体の1/2ほど剪定していきます。
植え替え


鉢植え後は1~2年に一度植え替えをしていきます。
鉢底の根を確認し判断していきます。
鉢のサイズは根をある程度カットし、大きくしていきます。
植え替えのタイミングは花後から9月までに行います。
冬の管理
落葉後も水やりは必要です。
枯れ木に見えても適度に水やりは必要です。
寒冷地では、腐葉土で表面を覆うか、マルチングや風よけネットをしておくと親切です。
また、冬に入る前、夏前にはハイポネックスのリキダスを与えるとより安心度が増します。



以上がアジサイの鉢植え栽培の管理です。
アジサイ 鉢植えの植付けから管理 まとめ
今回はアジサイの鉢植えについてまとめてみました。
アジサイの栽培は花後の剪定と水やりが重要です。
花後剪定は特に大事で旧枝咲きの花では翌年の花付きを左右する大事なイベントです。
あとは、鉢植え植物の管理とほぼ変わりません。
アジサイ栽培の一助となれば幸いです。
今回、以上。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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