
ジャガイモの育て方について説明します。
ジャガイモの育て方について解説します。
- 春・秋ジャガの栽培方法
- ジャガイモ後作
ジャガイモの基本情報


ジャガイモは家庭菜園を始めた方におすすめの野菜です。
栽培手間が少なく保存も利くため、ぜひ栽培して頂きたい野菜です。
年間を通して2回、春と秋で栽培が可能で、おおよそ植え付けから3ヶ月ほどで収穫が可能です。
春、秋の時期の違いで育てるためのおすすめ品種も若干変わります。
ジャガイモの基本知識はこちらを参考にしてください。



春は寒い時期から暖かくなってから収穫し、秋は暑い時期に植え寒くなって収穫します。種芋選びも注意して。
栽培のポイント


上記の通り、種芋の上に実をつけます。
実が土の外に出やすく、日を浴びたジャガイモは緑色になり、ソラニンという有毒物質を生成します。
ジャガイモの栽培は実が外にでないように「土寄せ」という作業が重要になります。
ジャガイモは他の野菜と違い、酸性寄りになればなるほど美味しく育っていきます。
逆にpHが高くなりすぎる(pH7.0)と「そうか病」という病気にかかってしまいます。
石灰の与えすぎは注意です。
また、市販の種芋を使用しましょう。
スーパーの食用ジャガイモや、過去収穫したジャガイモを種芋にするとウィルスにかかる可能性があります。
- ジャガイモの実が出ないように土寄せをする
- pHは酸性よりで栽培することでより旨味がでる
- 市販の種芋を使用する



それ以外にも連作については注意していきましょう。
近くにもナス科を植えないようにしていきます。
栽培の流れ



土づくりから栽培の流れをみていきましょう。
土づくり
米ぬかを入れることで有用な微生物が増えて、そうか病菌の増殖を防ぐ効果があります。
米ぬか、堆肥、油かすをいれていきます。
堆肥が投入が終わり1週間ほど時間を置き、pHを調べ調整していきます。
施肥については溝施肥、種芋同士の間に肥料を置いていきます。
元肥については、草木灰がおすすめです。
ジャガイモは少しの肥料でも栽培できますが、実を大きく育てたい場合はカリ多め。
葉ばかりしげらないおようにチッソ少なめの肥料バランスで育成していくことがおすすめです。
元肥と追肥に鶏ふんや草木灰を使用する場合は入れすぎに注意。pHがアルカリ性に傾きそうか病になる恐れがあります。
種芋の準備
①種芋をカットします


購入した種芋をしばらく寝かします。
芽が出たのち40g程度の大きさにカットしていきます。
②切り口に灰をつけます


③切り口を乾かします


気温が低いときは、種芋を切った状態で植えても腐りづらいですが、灰をつけることでジャガイモの水分を吸い腐りづらくなります。
植え付けまで雨に濡れないように乾しておきます。
植え付け


写真は畑を耕した後、溝を掘り、ジャガイモの切り口面を下にしてを押さえるように配置します。
溝施肥の変則で元肥としてジャガイモの間に元肥を置きます。
植え付けは晴れた日が続いた状態のときに行います。
仮に土が湿った状態で植え付けすると種芋が腐ってしまうことがあるので注意が必要です。


春ジャガ植え付け時期は気温がまだ低い時期となりますのでマルチを敷いていきます。
ポリマルチを設置する場合、植え付け時には穴をあけずにおき、芽が出始めた時点で穴をあけていきます。(どこから芽がでるかわからないため)
マルチをすることでジャガイモに日が当たらないため緑化を防ぎ、土寄せの作業は不要となります。
秋ジャガの場合は高温になり過ぎ、腐ってしまう、空洞化が起きるなどのデメリットはある為使い方には注意が必要です。
我が家では春植え、夏植えともオレンジで囲った通り藁を敷いてマルチ代わりとしています。
静岡は比較的温暖なため寒さ対策はマルチのみですが、場所により不織布などでトンネルをし霜よけをするとさらに安心です。(写真①)


写真① 不織布トンネル


種芋の置き方は切り口面が下向きが一般的ですが、切り口を上にした場合でも芽が出てきます。
切り口を上にした方が抵抗に強い枝しか地中に出てこないため、病気に強いといわれます。外に出てくる本数が限られる為、芽かきも不要になります。(本数が減る為)
芽が出始めから間引きまで


気温が安定したところで新芽が出てきます。
芽が出始めたところから複数本程度の茎がでてきます。
草丈10㎝程度になったら間引き(抜く)して1株につき、2本立ちにします。
これを行うことで栄養が実に集中し、大きなイモが育っていきます。


①抜く茎を選ぶ


②種芋が出ないように土を押える


③茎を真上に引き抜く


間引きした茎です。
比較的簡単に引き抜きできますが、しっかり押さえながら行います。



小さい芽を抜くときは枝を軽く揺すり大きい芽とつながっていないか確認しましょう。
追肥・土寄せ 1回目


芽かきが終わり次第、追肥と土寄せを行います。
株と株の間に肥料を撒きます。
おすすめ追肥肥料:草木灰
追肥量:イモ専用肥料…20g/箇所
草木灰…10~15g/箇所(一握りの半分より少ない)
枝丈:15㎝程度の時


①肥料を株間に撒きます


②周囲の土を鍬ですくい、株元によせます。


③土寄せ完了(1回目)
肥料に土を被せつつ、株元がしっかり隠れるように土を寄せていきましょう。(5㎝程度)
ジャガイモは種芋の上に実をつけます。
実の肥大は植え付け2週間後から始まり、土を寄せないとジャガイモが外に出てしまいます。
イモが日光に当たると緑化しソラニンという有害物質が発生してしまいます。
土寄せは緑化防止の為、芽かき終了時とそれから2~3週間後にもう1度実施します。
土寄せ 2回目


収穫前に再度土寄せを行います。
目安:前回土寄せから2~3週間後
芽かき後の生長が早い為、ジャガイモが外に出ないように注意しておきましょう。



メークインで草木灰を使ったら、実が大きいものが収穫できました。
与えすぎは要注意ですがカリ成分高めなのでおすすめです。


ジャガイモの花を摘む
きれいな花を咲かせますが「キタアカリ」や「インカのめざめ」は放置するとソラニンたっぷりのトマトのような実をつけます。
栄養も分散され、実付きを悪くするため摘み取るようにしていきましょう。
収穫


春ジャガ収穫目安…5月下旬~
秋ジャガ収穫目安…11月下旬~
写真のように葉や茎が枯れ黄ばんできたら収穫適期。
枯れてきたらイモはそれ以上太らないため収穫していきます。


①スコップでジャガイモを傷つけないように掘り起こす


②土の中に残るイモは手で掘って回収する。


③収穫完了
それを繰り返します。
収穫前に1度試し掘りをし、まだ小さいようなら収穫時期を遅らせるようにしましょう。
植え付けした種芋より上に実をつけますのでスコップをそれ以上深くさす必要はありません。
土の中にジャガイモが残りがちですのでしっかり確認していきましょう。



小さいジャガイモ(500円玉程度)は食べずに処分しましょう。
ソラニンが含まれています。
ジャガイモの収穫は、晴天が2~3日続いた日を見計らって行いましょう。
土が湿っていることが原因で泥がつき、傷跡などから菌が入り腐りやすくなります
春ジャガは梅雨までに収穫、秋ジャガは霜が降りる前に収穫していきます。


保管・保存


収穫したジャガイモは一度収穫箱などから出して風通しの良い場所で表面を乾かします。
その後、冷暗所で光が当たらないように遮光ネットなどをして2週間ほどさらに追熟させます。
糖分が増して甘くなります。
水洗いをすると保存性が落ちる為しないようにしましょう。



以上がジャガイモの栽培から収穫までの流れです。
ジャガイモの後作とコンパニオンプランツ
コンパニオン・プランツは近くに植えることで育ちが良くなる野菜の組み合わせのことです。
無農薬でも害虫を遠ざけ、病気になりづらく、健全な野菜を育てつようになります。



ジャガイモは要注意野菜です。
相性が良いより悪い方が多いです。
育てやすさは抜群のジャガイモですが、混植、リレー栽培でも相性の良い植物が少ないです。
相性の良い組み合わせ
科目・種類 | 野菜・植物 | 理由 |
キク科 | マリーゴールド | 殆どのセンチュウ対策(フレンチマリーゴールドがおすすめ) |
マメ科 | インゲン | 土寄せ2回目が終了後、株間にツルなしインゲンを撒く |
ユリ科 | ネギ | 混植、リレー栽培(前後)双方とも相性良 |
相性の良い組み合わせはこの3種。
マリーゴールドは基本どの野菜とも相性が良く、ネギはジャガイモ栽培で発生したコガネムシ、テントウムシダマシが寄り付かず、害虫被害がない為、相性が良いです。


テントウムシダマシ
テントウムシの仲間です。
背中に28個の黒い斑点があるテントウムシのような虫です。
ナス科の野菜を好み、葉や果実を食害し、写真のような跡を残します。
発見したら…
・虫の動きの遅い早朝に枝をゆすり、捕虫器などで回収
・葉の裏に集団でいる幼虫や卵は葉に切り取って処分
インゲンについては土寄せ後、混植し、ジャガイモ収穫前にインゲンも実をつけ先に収穫できるようになりますが、タイミングがずれないようにしていきましょう。
相性の悪い組み合わせ
科目・種類 | 野菜・植物 | 理由 |
ナス科 | トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモ | 連作障害 |
ウリ科 | キュウリ・スイカ・カボチャ・メロン | 病気にかかりやすくなる |
アブラナ科 | キャベツ・ブロッコリー・ハクサイ | 生長阻害 |
ショウガ科 | ショウガ | 必要な栄養がジャガイモと似ており生長障害を起こす |
根菜類 | ニンジン・大根・ラディッシュ | 〃 |
ジャガイモはナス科となります。
ナス科の植物を植えることで、病害虫の発生、生育被害が発生します。
同じ場所での栽培は2~3年ほど空けましょう。
また、近くの栽培で相性の悪い野菜はキャベツとなります。
多感作用が起こりジャガイモの生育が悪くなります。



ジャガイモのメッカの「アンデス」ではジャガイモ専用区画を設けほかの野菜とは隔離して栽培されていました。
ジャガイモは孤高の野菜となります。
相性の悪い組み合わせは数多くあれど、相性の良い組み合わせは少なく、コンパニオン・プランツでは
ネギ、マリーゴールドとの組み合わせが相性が良いですが、土寄せを実施することからあまり混作はしないです。


前作、後作は『ネギ』がおすすめ♪
ジャガイモはナス科、根菜類という分類が障害となります。
ネギは栽培タイミングや相性ともに◎。
ジャガイモの育て方 まとめ
今回はジャガイモの育て方について解説しました。
家庭菜園の入門としては比較的簡単な野菜です。
重要なのは、「土寄せ」と「pH調整」です。
ジャガイモ収穫後は夏場を迎える為慌てて野菜を育てるよりも土壌回復をする為、微生物を育てるようにしていき焦らず次の野菜の植え付けを準備するのも大事です。
特に連作障害でナス科の植物を植えることが出来なくなり、しばらくは制限が加わる為、その後の植え付けの計画は熟考する必要があります。
如何でしたでしょうか?
今回は以上です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
収穫した美味しいジャガイモの見分け方・レシピは下記参考にしてください。


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