ジャガイモの育て方・栽培方法

ジャガイモの育て方

ジャガイモの育て方について説明します。

ジャガイモの育て方について解説します。

この記事でわかること
  • 春・秋ジャガの栽培方法
  • ジャガイモ後作
目次

ジャガイモの基本情報

ジャガイモ 栽培基本
スクロールできます
科目定植方法日照時間生育適温発芽適温適正pH連作障害
ナス科種芋半陰性15~25℃(地上)15~20℃5.5~6.02~3年
基本情報

ジャガイモは家庭菜園を始めた方におすすめの野菜です。

栽培手間が少なく保存も利くため、ぜひ栽培して頂きたい野菜です。

年間を通して2回、春と秋で栽培が可能で、おおよそ植え付けから3ヶ月ほどで収穫が可能です。

春、秋の時期の違いで育てるためのおすすめ品種も若干変わります。

ジャガイモの基本知識はこちらを参考にしてください。

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春は寒い時期から暖かくなってから収穫し、秋は暑い時期に植え寒くなって収穫します。種芋選びも注意して。

栽培のポイント

じゃがいもの土中図 イラスト

上記の通り、種芋の上に実をつけます。

実が土の外に出やすく、日を浴びたジャガイモは緑色になり、ソラニンという有毒物質を生成します。

ジャガイモの栽培は実が外にでないように「土寄せ」という作業が重要になります。

ジャガイモは他の野菜と違い、酸性寄りになればなるほど美味しく育っていきます

逆にpHが高くなりすぎる(pH7.0)と「そうか病」という病気にかかってしまいます。

石灰の与えすぎは注意です。

また、市販の種芋を使用しましょう。

スーパーの食用ジャガイモや、過去収穫したジャガイモを種芋にするとウィルスにかかる可能性があります。

  • ジャガイモの実が出ないように土寄せをする
  • pHは酸性よりで栽培することでより旨味がでる
  • 市販の種芋を使用する

それ以外にも連作については注意していきましょう。
近くにもナス科を植えないようにしていきます。

栽培の流れ

土づくりから栽培の流れをみていきましょう。

土づくり

  • 堆肥と併せて米ぬかを投入
  • pHは5.5~6.0で調整。入れすぎ注意
  • 鶏ふん草木灰を使用する場合はアルカリ性に傾ける。入れすぎ注意
米ぬかを畑にまく

植え付けまでに土づくりを済ませておきましょう。

ジャガイモは土中に実をつけます。

地中25~30㎝程をしっかり耕しておきましょう。

  畑の準備 植え付けまでの流れ 

また、ジャガイモを植え付けする上で「そうか病」対策として、堆肥投入時に米ぬかを混ぜておきます。

米ぬかを入れることで有用な微生物が増えて、そうか病菌の増殖を防ぐ効果があります。

米ぬか、堆肥、油かすをいれていきます。

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堆肥が投入が終わり1週間ほど時間を置き、pHを調べ調整していきます。

施肥については溝施肥、種芋同士の間に肥料を置いていきます。

イモ専用の肥料

元肥については、ジャガイモの専用肥料おすすめです。

ジャガイモは少しの肥料でも栽培できますが、実を大きく育てたい場合はカリ多め

葉ばかりしげらないおようにチッソ少なめの肥料バランスで育成していくことがおすすめです。

有機質配合肥料もあります。

スクロールできます
肥料の種類配合比(%)効き方
チッソ(N)リン(P)カリ(K)
イモ専用肥料41010緩効性
イモ配合肥料 配合比

元肥と追肥に鶏ふん草木灰を使用する場合は入れすぎに注意。pHがアルカリ性に傾きそうか病になる恐れがあります。

種芋の準備

①種芋をカットします

種芋をカットする

購入した種芋をしばらく寝かします。

芽が出たのち40g程度の大きさにカットしていきます。

②切り口に灰をつけます

灰をつける ジャガイモ

③切り口を乾かします

ジャガイモを干す

気温が低いときは、種芋を切った状態で植えても腐りづらいですが、灰をつけることでジャガイモの水分を吸い腐りづらくなります。

植え付けまで雨に濡れないように乾しておきます。

植え付け

ジャガイモの種芋 植え
種芋を配置する

畝幅:60㎝(平畝

1条植え、30㎝間隔、深さ10㎝程度 水やり不要

写真は畑を耕した後、溝を掘り、ジャガイモの切り口面を下にしてを押さえるように配置します。

溝施肥の変則で元肥としてジャガイモの間に元肥の配合肥料を置きます。

植え付けは晴れた日が続いた状態のときに行います。

仮に土が湿った状態で植え付けすると種芋が腐ってしまうことがあるので注意が必要です。

ジャガイモマルチ

春ジャガ植え付け時期は気温がまだ低い時期となりますのでマルチを敷いていきます。

ポリマルチを設置する場合、植え付け時には穴をあけずにおき、芽が出始めた時点で穴をあけていきます。(どこから芽がでるかわからないため)

マルチをすることでジャガイモに日が当たらないため緑化を防ぎ、土寄せの作業は不要となります。

秋ジャガの場合は高温になり過ぎ腐ってしまう空洞化が起きるなどのデメリットはある為使い方には注意が必要です

我が家では春植え、夏植えともオレンジで囲った通り藁を敷いてマルチ代わりとしています。

静岡は比較的温暖なため寒さ対策はマルチのみですが、場所により不織布などでトンネルをし霜よけをするとさらに安心です。(写真①)

霜よけのマルチ

写真① 不織布トンネル

ジャガイモ 反対植え

種芋の置き方は切り口面が下向きが一般的ですが、切り口を上にした場合でも芽が出てきます。

切り口を上にした方が抵抗に強い枝しか地中に出てこないため、病気に強いといわれます。外に出てくる本数が限られる為、芽かきも不要になります。(本数が減る為)

芽が出始めから間引きまで

ジャガイモの新芽

気温が安定したところで新芽が出てきます。

芽が出始めたところから複数本程度の茎がでてきます。

草丈10㎝程度になったら間引き(抜く)して1株につき、2本立ちにします。

これを行うことで栄養が実に集中し、大きなイモが育っていきます

ジャガイモの芽かき

①抜く茎を選ぶ

ジャガイモ芽かき 抜く枝の選定

②種芋が出ないように土を押える

芽かき

③茎を真上に引き抜く

芽かきした枝

間引きした茎です。

比較的簡単に引き抜きできますが、しっかり押さえながら行います。

小さい芽を抜くときは枝を軽く揺すり大きい芽とつながっていないか確認しましょう。

追肥・土寄せ 1回目

ジャガイモの追肥場所

芽かきが終わり次第追肥土寄せを行います。

株と株の間に肥料を撒きます。

おすすめ追肥肥料:イモ専用肥料草木灰

追肥量:イモ専用肥料20g/箇所

草木灰10~15g/箇所(一握りの半分より少ない)

枝丈15㎝程度の時

追肥肥料

①肥料を株間に撒きます

土寄せ方法

②周囲の土を鍬ですくい、株元によせます。

ジャガイモ 土寄せ結果

③土寄せ完了(1回目)

肥料に土を被せつつ、株元がしっかり隠れるように土を寄せていきましょう。(5㎝程度

ジャガイモは種芋の上に実をつけます。

実の肥大は植え付け2週間後から始まり、土を寄せないとジャガイモが外に出てしまいます

イモが日光に当たると緑化しソラニンという有害物質が発生してしまいます。

土寄せは緑化防止の為、芽かき終了時とそれから2~3週間後にもう1度実施します。

土寄せ 2回目

3週間後再度土寄せ

収穫前に再度土寄せを行います。

目安:前回土寄せから2~3週間後

芽かき後の生長が早い為、ジャガイモが外に出ないように注意しておきましょう。

緑化 ジャガイモ
緑化 ジャガイモ

土寄せをしないと写真のようにジャガイモが外に出てしまいジャガイモが緑色になります。

その部分は食べると腹痛になる恐れがあります

万全に収穫するためにも土寄せをしっかりおこないましょう。

メークインで草木灰を使ったら、実が大きいものが収穫できました。
与えすぎは要注意ですがカリ成分高めなのでおすすめです。

ジャガイモ栽培のワンポイント
スクロールできます
ジャガイモの花

ジャガイモの花を摘む

きれいな花を咲かせますが「キタアカリ」や「インカのめざめ」は放置するとソラニンたっぷりのトマトのような実をつけます。

栄養も分散され、実付きを悪くするため摘み取るようにしていきましょう。

収穫

ジャガイモの収穫目安

春ジャガ収穫目安…5月下旬~

秋ジャガ収穫目安…11月下旬~

写真のように葉や茎が枯れ黄ばんできたら収穫適期。

枯れてきたらイモはそれ以上太らないため収穫していきます。

ジャガイモ スコップを差し込む

①スコップでジャガイモを傷つけないように掘り起こす

土の中のジャガイモは手で掘る

②土の中に残るイモは手で掘って回収する。

③収穫完了

それを繰り返します。

収穫前に1度試し掘りをし、まだ小さいようなら収穫時期を遅らせるようにしましょう。

植え付けした種芋より上に実をつけますのでスコップをそれ以上深くさす必要はありません。

土の中にジャガイモが残りがちですのでしっかり確認していきましょう。

小さいジャガイモ(500円玉程度)は食べずに処分しましょう。
ソラニンが含まれています

ジャガイモの収穫は、晴天が2~3日続いた日を見計らって行いましょう。

土が湿っていることが原因で泥がつき、傷跡などから菌が入り腐りやすくなります

春ジャガは梅雨までに収穫、秋ジャガは霜が降りる前に収穫していきます。

ジャガイモ収穫のワンポイント
スクロールできます
新じゃが栽培

新ジャガと完熟ジャガイモとの違い

新ジャガは春ジャガシーズンに通常の収穫よりタイミングを早くすることです。

保管・保存

収穫したじゃがいも

収穫したジャガイモは一度収穫箱などから出して風通しの良い場所で表面を乾かします

その後、冷暗所で光が当たらないように遮光ネットなどをして2週間ほどさらに追熟させます。

糖分が増して甘くなります。

水洗いをすると保存性が落ちる為しないようにしましょう。

以上がジャガイモの栽培から収穫までの流れです。

ジャガイモの後作

ジャガイモの栽培途中と後作について説明していきます。
まずは植えてはいけないものからです。

連作障害

ジャガイモはナス科となります。

ナス科の植物を植えることで、病害虫の発生生育被害が発生します。

同じ場所での栽培は2~3年ほど空けましょう。

特に植え付けに注意が必要なものは以下の通りです。

スクロールできます
科目・種類野菜理由
ナス科ナスや秋ジャガ連作障害
根菜類ニンジン、大根他必要な栄養が似通っているため、変形したりする
植えてはいけない野菜

また、近くの栽培で相性の悪い野菜はキャベツとなります。

多感作用が起こりジャガイモの生育が悪くなります。

おすすめの野菜

春ジャガ終了後のおすすめ野菜です。

①ネギ

6~7月植え付けし11月収穫。

ジャガイモはコガネムシ、テントウムシダマシが発生しますが、ネギについてはそれらの害虫被害の影響がありません。

②オクラ

夏場を好む野菜で秋まで収穫が可能で、ポット植えをし時間を短縮していきます。

③モロヘイヤ

夏バテ防止の野菜。

順次収穫していかないと葉が硬くなるため、こまめな収穫が必要です。

ジャガイモは孤高の野菜となります。

相性の悪い組み合わせは数多くあれど、相性の良い組み合わせは少なく、コンパニオン・プランツでは

ネギ、マリーゴールドとの組み合わせが相性が良いですが、土寄せを実施することからあまり混作はしないです。

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ジャガイモとの相性の良い野菜と悪い野菜

ジャガイモの育て方 まとめ

今回はジャガイモの育て方について解説しました。

家庭菜園の入門としては比較的簡単な野菜です。

重要なのは、「土寄せ」と「pH調整」です。

ジャガイモ収穫後は夏場を迎える為慌てて野菜を育てるよりも土壌回復をする為、微生物を育てるようにしていき焦らず次の野菜の植え付けを準備するのも大事です。

特に連作障害でナス科の植物を植えることが出来なくなり、しばらくは制限が加わる為、その後の植え付けの計画は熟考する必要があります。

如何でしたでしょうか?

今回は以上です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

病害虫についてはこちら

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収穫した美味しいジャガイモの見分け方・レシピは下記参考にしてください。

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